うちの近所に、田舎にしては結構大きなスーパーがあって、

この不況下で一時期、経営が危なかったのだが、お客様のニーズに

答える工夫をいろいろと行って再び大復活を果たしたってことで

地元では結構有名になってる店がある。


で、その工夫の一つに「お客様ご意見箱」っていうのがあって、

レジ横のポストに、ババアお客がお店に対するイチャモン意見を

投函できるようになっているのだ。


で、その一枚一枚に、チョーご丁寧にお店側からのコメントを記入して

すべてのお客さんが見られるように、これまた大きな掲示板に

ど~んと張り出してあるのである。


私は、このスーパーに買い物に行ったときには

必ずこの掲示板を熟読する。だって・・・・その内容っていうのが、

「匿名ってなると、人間ココまで自分勝手になれるんだなぁ~」

って感動でき、なおかつツッコミどころ満載の内容ばかりなのである。

ヘタなラジオ番組のオモシロ投書コーナーより格段にレベルが高いのだ。

最近読んだババアお客様の優秀作をあげてみると・・・・


「トイレのトイレットペーパーが反対向きについていました。

用をたすときに大変不愉快な思いをしました。

もうこのお店にはきません。」


すばらしきイチャモンである。もし、このババアお客様、

ペーパー自体がなかったらどうなったんだろうかと思うと

もうワクワクすらする。


また、先週はこんな優秀作もあった。

「冷凍食品売り場の前が寒すぎます。体調を崩してしまいました。」


短いけれど、これも端的にババアお客様の身勝手さを的確に表現した

スバラシイ作品である。

出来れば、この抗議の気持ちを、きちんとスーパー側に伝えるために

冷凍食品売り場の前でいき倒れて凍死していただきたいものである。


ま、この他にも今まで読んだ中に、数々の傑作選があったのであるが

残念ながら忘れてしまった秀作も少なくない・・・・・


ネットの世界ではよく言われることであるが、

匿名の世界っていうのは人間を恐ろしく身勝手で残酷にする。


子供が影で友達の悪口を言うなんていうのは良くある話だけど

滅びつつある日本では、大人も子供の精神のまま成長して

思いやり遠慮って言葉を忘れた年配者たちが

増えているのかもしれない。


確かに、一部の政治家やお金持ちたちだけが良い思いをして、

庶民たちは日常生活にも苦しんでいる、まるで

フランス革命直前のような日本では

大人たちは、非のある相手を見つけ、そこを攻撃することくらいしか

人生の生き甲斐を見いだせない人間も多いのかもしれない。


でも、かつての日本のスバラシイ教育を受けて、まともな人間として

成長することが出来た大人たちの中には、歳を取っても自分の生き甲斐を

見つけがんばっている方も少なくはないはずである。


こないだテレビであってたけど、あのモスバーガーなんか

あえて高齢者のパートさんを雇用し、接客に当たらせているそうである。


テレビに出てたそのアルバイト女性は、70代のおばちゃん・・・っていうか

もうおばあちゃんだったんだけど、若いお客さんを相手に

スバラシイ笑顔で生き生きと見事な接客をされていた。


モスでは、それら高齢者のパートの女性をモスバーバーと呼んで

積極的に採用しているそうである。

呼び名は・・・・・・ともあれ、スバラシイことである。

ま、あのおばあちゃんたちは、自分の仕事を楽しみ、

接客業の楽しさ、難しさを熟知しているだろうから、

きっとスーパーのトイレットペパーの向きごときには

目くじらをたてたりしないんだろうなぁ・・・・


この荒廃した日本の中で、我々や我々以上の高齢者の方々の

生き様っていうのは、ますます二分極化していくと思う。


たとえば、うちの親父が所属している老人会は・・・・

老人会っていっても、もう60歳過ぎの方からいるんだけど

頻繁に集まって酒飲んで温泉行って、そんなに不養生して

身体は大丈夫なのってくらい余生を謳歌されている。


そして、毎日夕方には、安全パトロールと称して、自分たちの車に

青いパトランプをつけて、下校途中の小学生を見回っているのだが

どの車もスピードが異常に遅くて、運転もフラフラ危うくて・・・・・

申し訳ないが、少々ウザイ・・・・・・


ま、それも余生の過ごし方の一つなのかもしれないが

今、高齢者っていわれている方々も、最新医療技術の進歩のおかげで

若者以上に健全な身体を持ち、せっかくまともな教育を受けて

精神的にもりっぱに生きてきてこられた最後の日本人なのだから・・・・


今の若者よりは、よほど世の中に貢献し活躍できる

やりがいのある場は、きっとたくさんあるはずである。


だから、酒飲んだり湯につかるばかりでなく・・・・・

もっと自分自身のために生き甲斐を見つけて

人生を楽しめば良いのに・・・と、私は思うのである。


ま、かくいう私も、だんだん年をとるうちに

腐った日本の風潮に流されて、いつも眉をしかめて他人のアラを探し、

スーパーの投書箱の前でセコイ苦情を書いたりするような

クソジジイにだけはならぬよう・・・


時々はそのスーパーのお客様ご意見掲示板を拝見させていただき

わが身の精神状態を矯正していこうと思うのである。


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