昨日 は、個別指導から女子の多い集団クラスに移った男子が

女の子パワーに圧倒されて塾を辞めちゃった・・・

ってお話を書いたけど・・・・


そもそも私の塾は開塾以来ずーっと集団指導だけの塾であった。

しかし、数年前に都会の大手塾を経営されてる塾長と

お話をする機会があって、そのときに

「これから塾は個別指導の時代だヨ。」ってお話を伺い

じゃ、うちの塾でも個別指導クラスを開講してみるかってことで

3年ほど前から完全個別指導クラスを開講したのである。


すると・・・・


私のトコのような田舎町の塾ですら、結構生徒が集まったのである。


ま、もともと集団指導専門の塾とはいえ、時には勉強の遅れた

少数の生徒を取り出して個別指導のような授業はよくやってたんで

個別指導のメリットや重要性もある程度は実感していた。


しかし・・・


個別指導専用クラスを実際に開講してみて

「個別指導の印象」が以前から自分が考えていたものとは

チョッと違うなって感じがしてきたのである。


というのも・・・・


集団ではなくあえて個別指導を希望して入塾してくる生徒たちっていうのは、

私が望むような生徒ばかりではなかった・・・・っていうか、

個別クラスの半分くらいの生徒が、間違った認識で個別指導を選択して

いるってことに気づいたのである。


そもそも、個別指導のメリットっていうのは、集団授業ではスルーされがちな

自分が分からないところをピンポイントで教えてもらえるっていう点

である。そこに集団授業ではなく個別指導を選択する意義がある!・・・・

って、フツーなら思ってしまうでしょ?


でも、それはあくまでほとんどのことが理解できているってことが前提で

その中にある勉強の弱点・・・・つまりその子の勉強の穴を埋めていくって

いうことなら、個別指導っていうのは大いに効果的なのである。


でも・・・・少なくとも私の塾で個別クラスを希望する子たちっていうのは

今まで勉強らしい勉強を全くやってこなかったような

基礎的な学力をほとんど身につけていない子達ばかりである。


勉強の穴を埋めるっていったって、マシンガンで蜂の巣にされたような

勉強全体が穴だらけで、チョッとやそっとでは埋めようがない

状態の子ばかりなのである。


世間一般のお父様お母様方は、

「お勉強ができない子ほど、個別指導のマンツーマンで

先生からじっくり教えてもらった方が成績が上がる。」

って信じきっている方も多いと思う。


しかし、そこには個別指導の落とし穴がある。


第一に個別指導っていうのは、時間が短すぎるってコトが問題である。

もちろんお金が潤沢にあるご家庭で、子供に1週間毎日4時間ほど

個別指導を受けさせることができるような恵まれたご家庭であれば

多少なりとも成果は上がると思う。

(おそらく月謝は10万円前後になるが・・・)


しかし、個別指導っていうのは週1~2回っていうのがほとんどで

しかも1回の授業時間は、子供の集中力を考えても

長くて1~2時間が限界なのである。


その程度の個別指導では1教科を習うのが限界であり、

もしラッキーにも一つくらい分からないところが理解できたとしても

どーせ、家庭学習で復習なんて全くしないのだから

次の授業日には、ほとんど忘れてるっていうのが関の山である。


じゃ、集団授業ではそれがないのか!?って思うでしょ?


そこが各々の塾の集団授業の授業力、教材力の見せ所なのである。


集団授業は個別に比べて、週の授業回数が多いし1回の時間も長い。

だから、複数教科の複数単元を繰り返して教えることができる。

家庭学習を当てにしなくても、再テスト、再々テスト・・・を繰り返すことで

個々の生徒のできるところ、できないところが明確になり

その都度、的確な学力別クラス分けをすることで

全員の完全理解を目指すことができるのである。


もちろん、これは個別指導塾以上に教師の力量が問われるのであるが・・・・


そして、なんといっても、集団クラスの最大の武器は

「競わせることができる」っていうことである。


「競わせる」っていうと、すぐに眉をしかめる大人もいるが

競わずに学力が向上することは絶対にないのである。


だからといって、他人を蹴落として自分が勝てばイイって

言っているのではない。


「同じ授業を受けて、同じテストを受けたのに、

他の人に比べて成績が芳しくなかった・・・・。」なんていう

他人と自分との比較が実感できることが、勉強においては大切なのである。

もちろん、ダイレクトに「あいつには負けたくない!」なんて感情も

大いに結構である。


全体の中での自分の出来具合と進歩していく過程を実感できるのが

集団授業の最大のメリットだと思うのである。


じゃ・・・どうして個別指導を選択する子がいるのか・・・?


ま、理由はさまざまであるが、一つは時間が短いこと?・・・である。


勉強はしたくないけど、成績が悪いから親に塾に行かされる・・・・

だったら、できるだけ時間の短い個別指導授業がイイ・・・・


ホントにこんな理由で個別指導を選ぶ子も少なくないのである。


また、先ほど述べた集団授業のメリット

「他人と比較した自分の学力が分かる」ってことを嫌がる・・・・

っていうか、自分の学力を客観的に知ることが怖いのである。

だからもう、他人と競う・・・なんていうのは論外で、それ以前に

自分の学力を他の人に知られることが、かっこ悪くてイヤなのである。


でも、そんな我が子のことを、親は必ずこう言うのである。

「この子は集団授業はむいていないんですぅ・・・・」


そもそも集団授業にムクもムカナイもないのである。

本当にそうなら、その子の学校に行っている時間は

全く意味がないってコトではないのか?


もちろん個別指導クラスを受講している生徒の中には


普段は部活動でどうしても集団コースは受講できないのだけれど

家庭学習はしっかりやってるんで基礎的な勉強はできていて

どうしても数学の図形関係の単元だけが苦手である・・・・

なんて子も通ってきているのだが、個別指導っていうのは

まさにこんな子のためにあるのである。


こんな子は、今はしっかり部活動に打ち込んで、

3年の1学期が終わり部活動を引退したあとで、集団クラスに移って

しっかり受験勉強に取り組んでいけばよいのである。


なんか、最近も、都会のほうでは、

個別指導の塾が勢力を伸ばしてるってうわさを耳にしたんだけど・・・・・


ま、これは家庭教師についても同じことが言えると思うのだが

iいずれにせよ、親がしっかり自分の子供の特性や学力を

把握してから選択しないと・・・・


この「個別指導の落とし穴」

はまってしまうことになるのである。



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