つい最近、知人の先生のお話で、昨年就任したわが市の新市長が、
選挙運動の際に困った公約を掲げていたのを知ることになった・・・・・
ってお話の続きである。
その公約のことを最初に聞いたのは、知り合いの校長先生からであった。
で、そのお話によると、市の中学校の校長会が一同に集められた会で
この新市長が現れて「公約どおり中学校給食を実現させる!」って
発言したというのである。
全国的に見れば、中学校が給食ってところは珍しくはないのであろうが
私の市では未だかつて中学校で給食が実施されたことはない。
で、校長達のほぼ共通した意見というのは
「ただでさえ先生達の仕事が多いのに、
給食なんてシステムをとりれたら
ますます仕事が増えてしまうから、絶対に反対!」
っていうのが大半だったそうである。
ま、私にしてみれば
「お気楽コームインなんだから給食の仕事くらいやれよぉ~」
って言いたい気持ちもあるのだが、給食をとり入れるとなると、
食事の指導だけではなく、給食費の徴収なんていう
チョー大変で面倒な仕事が増えちゃうことは間違いない。
ただでさえ全国的に小学校の給食費の未払い問題が問題になってて
地方によっては、先生が勤務後に家庭訪問して取り立てをやってる
なんていうところもあるくらいだから、私の市で給食が始まったら
どんなことが起こるのかは容易に想像できるのである。
だって、十数年前、私が現職の中学教師のときだって
「義務教育にナンで金がかかるんだぁ!」って
校納金の類を一切払わないっておっしゃるイカレタ親御さん方が
けっこういたのである。
さらに今は中学生はみ~んな昼休みに昼食を食べているので、
もし中学校に給食が入ると、昼食の時間とは別に昼休みを確保して
やらなくてはならないことになる・・・・・
ってことは・・・・・
そのシワ寄せはトーゼン授業時間に来るってことになるのも
もう目に見えているのである。
ただでさえ学校でのお勉強が形骸化して
子ども達が頭空っぽで塾に来ているような昨今
これ以上授業時間を減らされては、さすがに困ってしまうのである。
で、その給食計画はどうなったか・・・・・?
最近はあまりに音沙汰がないんで
市長さんもあきらめたかと思ってたら・・・・
先日、知り合いの中学校の先生が塾に遊びに来て
面白い話を聞かせてくれたのである。
現在の中学校の生徒や親の現状を何も知らないお気楽市長が
いくつかの中学校で給食の試行を始めたと言うのである。
で、市長自らがそれらの中学校の給食時間に教室に入り込んで
中学生と一緒に給食を食べるっていう
人気とりミエミエのパフォーマンスを行なったらしい。
しかし、企画した手下の手違いだったのか、それとも故意だったのか・・・・・
いきなり市内でも屈指の崩壊した中学校に行っちゃったのである。
で、そんな中学校の生徒が、新米市長の顔なんて知るわけがないから
いきなり教室に入ってきて一緒に給食を食べ始めた市長に対して
「ダレ~?このオッサン?」とか「うぜーなぁ。l帰ればぁ?」などと
言ったそうである。
ま、市長にしてみれば、教室に現れた自分に対して、きっと生徒達が
羨望のまなざしを向けてくれると思ったのであろう。
だが、現実はそうはいかない。そんなに現場は甘くないのである。
で、結局、この市長は、不快そうな顔でそそくさと給食を食べると
逃げるようにその中学校を去って行ったそうである。
本当ならそんな暴言を吐いた生徒達は教師から大目玉なのだろうが
もちろん怒って通じるような生徒ではないし
先生方も少なからずザマ~みろって思ったはずであるから
笑い話としてまたたく間に市内の先生達の間に広まったのだそうである。
ま、給食問題はともかく、このことがきっかけで
この市長がチョッとは本当の荒廃しきった教育の現状を
理解してくれればいいのであるが・・・・・ま、ムリな話であろう。
ただ・・・・・この話を聞いて
ヤッパ政治家はツマラン・・・・って再認識させられた。
選挙のときにどんなにいいことを言ったって
市民のことを心から考えているような顔をして見せたって
結局当選してしまえば、あっという間にクサレ政治家になっちゃうのである。
でも・・・・もしかすると・・・・・
この市長に暴言を吐いた中学生達は
イキナリ教室に現れた市長を一目見た瞬間に
コイツの化けの皮を見抜いたのかもしれない。
もっと庶民の本当の生活を理解できる人間が
市民のリーダーとなれますように
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