新学期が始まって1週間が経った。


つまり完全に新しい学年での塾の授業が再開したのであるが

残念ながら春期講習会の生徒が全て残ったわけではない。


経済的な理由で、とてもじゃないけど毎月塾には通えない・・・・って

正直に家計の内情を語られた親御さんもおられた。

(私の塾は近隣の塾に比べかなり授業料は安いのではあるが・・・)


で、その中に、昨年より毎回必ず講習会にだけ参加している

今年3年生になる女子がいたのであるが・・・・


この子は3年生になる今学期もやはり継続しなかった。

で、その理由が・・・・・

部活動と生徒会とお習字が忙しくて

とてもじゃないけど塾に通う時間がない・・・・・

と親御さんと本人がおっしゃるのである。


この子が最初に私の塾の講習を受けたのは

約半年前の2年生の夏期講習会であった。


とてもまじめな子で、宿題も予習もきちんとやってくる。

新しい単元の理解も早く、決してずば抜けてはいなかったが

学校の成績も中位くらいであった。


それが・・・・

昨年末の冬期講習会に現れたときは様子が変わっていた。


基礎的な勉強の部分にあちこち穴が目立つのである。

もちろん、相変わらずまじめな子であったから、

宿題なんかもしっかりやってくるのでるがミスが多い・・・・


夏期講習会ではAクラスにいたのに、結局冬期講習では

ずーっとBクラスの下位で勉強をしていたのである。


で、今回の春期講習会・・・・・


見た目は変わっていないのであるが、

ナントこの子の学力は完全に崩壊していた。


私の塾の講習会では、毎日の確認テストの結果で

毎日クラス分けを行なっていたのであるが

講習最初のクラス分けテストでCクラスになってしまったこの子は

結局講習会の間中Cクラスから上がれなかったのである。


本人もかなり動揺していたようであるが

その原因は明白であった。


あまりあちこちで理解不足の単元が多すぎたのである。


社会や理科の2分野など暗記で勝負できる教科であれば

本人の地道な努力である程度はカバーできる。


しかし、数学や英語など、前回の学習が基礎となって

発展していく教科は、途中で理解できない穴ができ

それをほったらかしたままにしていると

完全に分からなくなった時点から挽回しようと努力しても

そう簡単に克服できるものではないのである。


結局この子は、春休みの課題の三分の一も消化できないまま

春期講習を終了してしまった。


だから、私としても商売抜きで

新学期からの継続を本人や親にもすすめたのであるが・・・・


結局、冒頭で書いたように

部活動と生徒会とお習字でとても塾の時間が取れない・・・・

だぶん夏期講習会には行かせます・・・・・

ってお返事を親御さんからメールでいただくことになったのである。


もちろん部活動も大切でしょう。

生徒会も、お習字だって・・・・・


でも、この子の学力を病気にたとえるなら

とっても健康だった体が、今、明らかに深刻な症状に

陥っている状態なのである。


私は子ども達の学力低下のことをよく病気に例えるが

学力が崩壊していく過程っていうのはホント病気に似ている。

それまで健康だった学力が、ある単元につまづいたことが

きっかけで崩壊し始める。

小さかった病巣がどんどん体全体に広がっていくように

その単元だけでなく、その教科、しいては全ての教科において

理解できなくなっていくのである。


そんな大げさな!って思われる方もおられよう。


でも、学力っていうのはいくら崩壊しても、病気のように

痛みをともなったり目に見えた症状が出るわけじゃないから

子ども本人はもちろん、親だって知らん顔をすることができるのである。


一時期、世の親御さん方は、「学力低下」「教育崩壊」って

マスコミの報道に乗せられてはいたけれど・・・・


この子に限らず、最近の親御さん方の対応を見ていると

結局、世の子どもたちのあまりの低脳化に

もうすっかり慣れちゃったのではないかって

思えてしまうのである。


私の塾はおかげさまで無事新学期を迎えることができたが

3月末に近所の大手チェーン塾が2校も教室を閉じ撤退していった・・・


子ども達に聞いても3年生ですらクラスの半数以上が

塾に通っていないと言う・・・・・

(ま、私の地域は田舎だからかもしれないが・・・・)


でもこれって・・・・

絶対少子化や不景気だけのせいだけではないと思う・・・・


やっぱ世の親たちって、子どもたちの学力が崩壊しちゃったことに

あまり危機感を感じなくなってしまったのではないだろうか?


もちろん学力が全てじゃないですよ。

塾に通うことがベストだといってるわけじゃないですよ。


でも、今、学力が崩壊しかけている子でも

ほんのチョッと勉強することに時間と精力を注げれば

まだまだナントカなる子がたくさんいることは確かなのである。


公立の中学校が塾と提携して授業を行なう取り組みに

「教育の経済的格差が生じる!」って反対してたバカもいたけど・・・・


今の世の中っていうのは

親や子ども本人の学力に対する意識格差のほうが

もっと重大な問題であるように感じるのである。




ブログランキングに参加しています。

ペースはゆっくりになりましたが

ワンクリックして頂ければ励みになります。

↓よろしくお願いいたします。m(_ _ )m

banner