明日は私の近隣の中学校で体育祭が行われる。

以前は懐かしさもあったので、ぶらりとその様子を見に行くこともあったが

最近は、会場での無補地帯のように歩き回る生徒達を見ていると

自分の精神衛生上よろしくないので、もう行かないことにしている。


で、運動会といえば思い出されるのが、

開会式の時の国歌斉唱と国旗掲揚である。


かつて・・・・というか、ほんの10年くらい前までは

日教組も力を持っていたので、

運動会に限らず卒業式や始業式など行事のたびに、

職員会議で国旗を掲揚するのしないの、国歌を歌うのうたわないのと

管理職と組合員の間でケンカ腰の話し合いがあってたものである。


で、その恒例行事のような管理職VS日教組の対決に

昨年、画期的な判決が出されたのである。

なんと、日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを
違憲とした判決が出されたのだ。


この判決に関しては、裁判を起こした日教組教師側も

起こされた教育委員会側もさぞかしびっくりしたことだと思う。


だって、今での君が代問題に関する判決は
ほぼ全てが無条件に教育委員会側の勝訴で
今回のように、教師側に慰謝料まで出させる判決が出るなんてことは
前代未聞のことであったからだ。


私はこの問題に関しては、教師側にも教育委員会側にも立ちにくい・・・・
っていうか、「どっちもどっち」であるような気がするのである。


かく言う私も、教員時代には日本教職員組合に所属し
その地域の青年部長までやるほど活動に力を入れていたことがある。

私が始めて赴任した学校は、ほとんどの教員が教職員組合に入っており
私のような新規採用のペーペー教師に対しては
組合員の先生方から連日勧誘のお話があっていた。


どうしようかと迷っていると、
ある日、突然校長室に呼ばれて、教頭と校長とにはさまれこう言われた。

「あんた将来のことを考えるなら、組合なんか入ったらつまらんぞ!」

「あんた」って呼ばれたのもむかついたが
そんなこと言うやつらから「入って欲しくない」って言われると
俄然入りたくなってしまうのが人のサガで
その日、あっさり組合員になってしまった。


私の地域の学校の組合員は

共産党系の組合員が圧倒的に勢力を持っており

「教え子を再び戦場に送るな」っていうスローガンのもと
とても活発に活動していた。

したがって、当然、国旗掲揚、君が代斉唱は
「軍国主義への回帰!許されざることである!」と考え
当然入学式や卒業式前には、組合員VS管理職の大会議が
深夜遅くまで続くことが恒例になっていた。


私ももちろん戦争には反対であったし、
国旗、君が代が戦争につながると言われれば、
「やっぱそうかな~」って思えてきてけっこうまじめに活動をやっていたのだ。

もちろんそれだけではなく、教職員の労働者としての権利を守るっていうことで
「修学旅行やその他出張に対する年休をよこせ!」とか
「一人当たりの授業時数が多いので講師を呼んでこい!」とかいう
交渉もやっていた。


そんな私が、組合員の活動に疑問を感じ始めたのは
二校目のチョー荒れた中学校に赴任した頃からであった。


学校が荒れている、授業が成り立たない、親はイチャモンつけてくる・・・

それほど大変な現場であるにもかかわらず、組合員の教師たちは
やたら「生徒の権利」やら、「教師の権利」やらを訴え
生徒は抑えられず自分の授業は完全にふいているダメ組合教師でさえ、
管理職だけにはやたらと強い態度で発言をする・・・・

そんな組合員の教師たちをたくさん見てしまったのである。


だから、今回の判決に関する報道を見ても
なんか素直に「よくやった!」って思えないのだ。


テレビで自信満々に今回の判決を語る組合の先生方・・・・・

ところで学校の授業はどうなってるの?


あなたが裁判のために割いた時間が
あなたのやるべき仕事に影響を与えなかったって言える?

生徒に迷惑かけなかったって自信を持っていえるのだろうか?


もちろん、言うべきことは言わなくいてはならない。
間違ったことは正していくべきである。

しかし、あなた方教師の第一の仕事は

「学校で授業をすること」である。


もし、あなた方が思う教育を阻害するような出来事があって
それを解決することがあなたの中で一番の仕事になったのなら・・・・

教職を辞して、その仕事に専念して戦うべきである。


私は、今の学校では私の理想とする教育はできないと思ったから
きちんと教職を辞した。

親たちの税金で養ってもらいながら、最優先すべき仕事は後回しにして
自分の思想を守ろうとするのはやっぱり本末転倒である。


もし、あなたの生徒が
「学校に制服で来なくてはいけないなんてナンセンス!
自分がいいと思う服装を許可するのが思想の自由でしょ!?」
って言われたら、あなたはどう切り返すの?

「君たちは学生なのだから・・・・校則っていう決まりがあるからだ!」
では説得できないでしょ?


それは、あなた方も同じこと。

あなた方は国家に雇われて、国民に養われている立場なのだ。
「日の丸、君が代」に注ぐエネルギーがあるなら
今の子供たちの教育を何とかする努力をすべきである。


何度も言うが、私は戦争は反対である。
だから国家による「日の丸、君が代」に対する異常なまでの固執には
当然、疑問や不安を感じている。


ただ、世間が、こんなことにばかりエネルギーを注ぐ

教師や学校を容認していたら
戦争が起こる前に、絶対に日本は滅んでしまうと思うのだが・・・・。



戦争よりも先に

勘違いまっすぐ教師たちが

日本の教育を滅ぼしてしまわないよう
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