先日アップした「おけいこ事は何がベストなのか?」
に対していただいた"きーのまま様"からのコメントである。


塾長様、いつも楽しく読ませて頂いています。
私には小5の子供がいます。幼稚園から小2まで
習字、そろばん、キッズダンスを習っていました。
習い事のない曜日は 月、日だけ・・・。

そろばん以外は子供が習いたいと言い出したものでした。

ところが、二年生になった頃から体の不調を訴えてくるようになりました。

習い事に行きたくない言い訳かな?と思い
「自分がやると言った事は最後まで責任をもちなさい。」

と言って様子をみていました。
とは言うものの、そろばんは本人の意思ではないし

週2回を1回に変更しようか・・・と考えてい矢先・・・
ボランティアで子供のクラスに入り、

絵本の読み聞かせをしていた時のことです。

明らかに我が子の顔つきが他の子供達と違うのに

気がついたのです・・・・

顔色が悪く覇気のない死人のような顔・・・。
やはり、習い事が負担になっているのでは?と不安が胸をよぎり・・・・


的中してしまいました・・・。


翌々日の朝、激しい嘔吐と腹痛を訴え救急病院に連れて行きました。

入院を勧められました。原因は、疲労によって抵抗力が低下し、

お腹がひどい風邪を引いたようなものでした。


点滴中のベッドで子供が看護婦さんに毛布を持ってきてくれたり

点滴を替えてくれるたびに「ありがとうございます。」と

具合が悪いのにもかかわらず言っているのを見て
「私はこれ以上、この子に何を望んでいるのだろう?」と思い

習い事をすべて辞めることにしました。

そのかわり毎日、子供と一緒に犬の散歩に行くようにしました。
その日あった学校の出来事、難しかった勉強の事、テスト前には

私が問題を出してみたり、毎日いろんな話をしながら・・・。

この三年間ほとんど欠かさず・・・。 

不思議な事に習い事を辞めてから成績も上がり、

自分の得意科目にいたっては 私が何も言わなくても予習復習もしています。


習っている間は一度も毛筆や硬筆で賞を頂くことはなかったのですが

辞めてから校内入選や、教育委員会からの賞を頂くようになりました(笑)

習い事を辞める時、子供を甘やかしているのではないか?

と何度も自問自答しました。
でも現時点では、あの時決断して良かったと思っています。


何が子供にとって一番良いのか?!を見極めるのがとても難しいですね。

長くなってしまい申し訳ございません。


いえいえ、長いなんてとんでもございません。
すばらしいコメントありがとうございます。


もうこの後に私のコメントなんぞ必要ないくらいの内容です。
中略もできなかったので全文載せさせていただきました。


いただいたこのコメントの中には、
子育てに関する重要な事項がたくさん含まれている。


まずは「体調の不調を訴えてくるようになった。」という点。

小さな子どもは、自分が耐えられない負荷に対して
言葉で説明して親に訴えることができない。

だから、そのおけいこ事が体力、精神力の限界を超えた時
熱を出したり、お腹が痛くなったりと、本当に体調に不調をきたす。


もちろんそれは、子どものわがままであったり、

単なる甘えであることもある。
だから、その真偽の見極めは、やはり親でないと難しい。


ただ、嫌なこと、辛いことに出会ったとき
体調の不調を親に訴えることで、そこから回避することができる・・・・

安易にこの習慣を認めてしまっていると、
その子は成長するにつれて、すべての負荷に対して、
この「体調不良」という伝家の宝刀を使ってしまう「根性なし」の子が

完成してしまうことになることもまた事実である。

引きこもり、不登校なども、これが原因であることも多い。


だったら、おけいこごとは何が何でもやり続けさせるべきなのか?


その判断基準になるのは

子どもにとって「本当に必要かどうか」ということである。

その判断については、各家庭の事情、親の価値観によって変わるので
私がここで基準を設けることはできない。


小学校も3,4年生になってくると、
勉強においては絶対にゆずれない事項も増えてくる。

まさにその子の将来のためにも、絶対に覚えなくてはいけない、
理解しなくてはいけない事項というものがあるのだ。


だから、「覚えたくない~。」って子どもが駄々をこねようと
「お腹が痛い~」って訴えようとも、やり遂げさせなくてはいけない
事もたくさんあるのである。


だから、子どもがあまりに小さなうちから
やらなくてもいいおけいこ事で無駄な負荷を与え続けると
本当に体調を崩し病気になってしまう。


こんなことを繰り返していると

成長してから本当にがんばらなくてはいけない場面で、
意のままに体調を崩せる能力を身につけた子どもになってしまうのだ。


コメントにも書いておられたように
子どもにとって、そのおけいこ事が無意味な負荷であった場合
それをやめたとたんに、逆に成績が伸びることだってあるのだ。


さらに、きーのまま様は、おけいこ事をやめ空いた時間を
子どもとの散歩に使っているようであるが、これはとても良い事である。


「歩くこと」がいいというのは、当り前であるが
何より子どもと会話をする時間を作れることが一番である。


もちろん散歩をせずに、家で子どもと会話をすることはできるが
何も用事がないのに、家で親子が面と向かって
(もちろんテレビはつけずに)
毎日子どもと会話がもてるものではない。


子どもと話をするのは、子どものためばかりではなく
若い子と会話をするのは、固まりかけた親の脳みそのリハビリにもなる。


とにかく、きーのまま様の行ってきた、おけいこ事を減らすタイミングと
その後の時間の使い方が適切であったのである。


最近の子ども達が精神的、体力的な負荷に対して
著しく弱くなっているというのは、もう何回も書いてきた。

だから、小さなときからそれを鍛えていく経験は絶対に必要である。


ただ、それがその子にとって

「本当に必要な負荷」なのか「耐えさせる必要のない負荷」なのかを
適切に判断できるのは、やはり親以外にはいないのである。



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