こないだBSで撮りためておいた映画の中から
「家族ゲーム」っていうチョー昔の映画を見た。
1983年の映画だから、ざっと30年近く前の映画で
まぁ内容的には・・・・見る人それぞれって感じなのだが・・・・
その映画のシーンの中で、中学校の教室で数学の先生が
テストの答案を生徒に返却するって場面があるんだけど
その教師は点数の低い順から生徒の名前を呼びあげて
返却をするのである。
今のゆるゆるの中学校で、そんなことをやった日にゃ
モンスターママゴンが顔中に怒りマークをつけて
学校に怒鳴りこんでくるところだろうけど・・・・
さらに、映画の中の中学教師は、途中から成績の悪い生徒の
答案をクシャクシャに丸めて、教室の窓から校庭に投げ捨て
るのである。
で、投げ捨てられた生徒は、チョットおどけながらみんなで
運動場に駆け出していって、自分の答案を探している・・・・
もし、今の中学でこんなことをやったら・・・・・
間違いなくTVニュースである。
だって、ようやく学校もバカゆとり教育から脱出しようとしている
にも関わらず、私の塾に通ってくる中学校のいくつかは
まだ定期考査の成績発表で順位を公表しない(もちろん本人に)
大バカ中学があるくらいだからである。
前にも書いたことあるけど
勉強させて試験して・・・・結果は公表しない・・・・
っていうのは・・・・・
例えば陸上の短距離選手に一生懸命練習させて
競技会に出て・・・・・順位は発表しないってこととドコが違うのか?
ま、それでも義務教育の最後には、かろうじて「入試」っていう
否が応でも自分の努力と実力を目のあたりにする唯一の機会があるから
まだイイような気もするのだが・・・・
その入試にしたって、最近ではアマアマ教育の影響で
子供たちにとっては対したプレッシャーにはなっていない面もある。
だが、塾だけは違う。
クサレ学校のように、思い出作りとかお友達作りとかなんかではなく
「子供たちに勉強を教えて、持っている能力を
最大限引き出し、希望する進路に進ませる!」
っていう最大にして唯一の目標にむかって、親御さんから
お金を頂いて、我々も命がけで頑張っているのである。
だから中学3年生なんかは、今はもちろん毎日塾があるし
1月から毎週日曜日に実施してる模擬テストは、
トーゼンその日のうちに教師たちで夜遅くまで採点を行い、
次の日までには偏差値から合否判定までコメントも入れた個表を
完璧に用意して生徒たちに配布するのである。
そして、その合否結果は、本物の合格発表のように
掲示板に合格者の生徒番号を記載して塾の玄関に貼り出すのである。
さらに授業では、学力別クラス分けは当たり前なのだが
座席も志望校別、試験の結果別に分けて座らせる。
つまり、模擬テストで現在の志望校に失格した子は
失格した生徒を集めた席を作ってそこに着席させるのである。
私の塾は、もう20年近く毎年この方法で、たるみきった受験生の
意識を高め、志望校ぎりぎりの生徒も力づくで成績を上げさせて
毎年高い合格率を上げてきたのである。
ただ・・・
数年に1,2名・・・・・残念ながら、このやり方について来られない
生徒もいるのは事実である。
まず・・・・毎日勉強する・・・っていうのが無理な子・・・・
机に2時間以上ついて勉強することができない子・・・・
日曜日に早起きをして塾に試験を受けに来るのが困難な子・・・・
そして・・・・・
能力は低く努力は嫌いなくせにプライドだけが高すぎて
自分の成績をさらされるのが耐えられない子・・・・・
今年は、この最後のパターンが出た。
今年初の塾内模試が終わった翌日、
初めて成績順、合否別に分けられた座席で授業を行ったのだが
その翌日・・・・ママゴンからぶち切れたお電話がかかったのである。
「うちの子がバカ扱いされたといって泣いています。
先生から、お前たちはバカだから勉強しても同じだと言われたと
言っています。いったい、どういうことですか!!」
よくもまぁ、それだけ話を盛れたものである。
成績別、合否別座席でちゃちなプライドを傷つけられた子供が
ママゴンに告げ口したんだろうけど・・・・・
そもそも、そんなヨタ話を信じて、なんの確認もせずブチ切れて
文句の電話をかけてくる事自体、まともな大人のやることではない。
ま、このタイプの人間にありがちな、
自分が怒っていることに酔ってさらにブチ切れている大人は
その場でナニをいっても通用しないから、チョット受話器から
耳を離して、時々相槌を打ちながら聞き流すに限る。
で、ひと通り怒鳴り疲れたころあいを見計らって
「チョット落ち着いて話しましょう。
お子さんは、私がバカだから勉強してもおんなじだって
言ったと言われてるんですよね。
まず、そこをお子さんにご確認していただけますか?」
って、静かにお願いをしたのである。
怒りの言葉を怒鳴りまくったママゴンは、もともと語彙も少ないので
もう、ののしるお言葉も尽きたようで、私のお願いにしぶしぶ応じた。
受話器の向こうで、なにやら息子とモゴモゴ話している様子である。
しばらくして・・・・
「じゃ、先生は本当にバカとは言ってないんですね!」
と、ややトーンダウンしたお言葉・・・・
どうやら、息子は、私がバカといったと断言できなかったらしい。
そりゃそーでしょ、私だってバカではないから、たとえ思っていても
生徒に面と向かって「バカ」などとは絶対に言わないし
「バカだから勉強しても同じ・・・」なら、塾なんて仕事やってられない。
そもそもこのママゴンは、学校でも有名なモンスターPで
学校の先生を凹ませた武勇伝を数々聞いていたし
ついに塾にも来たかって感じでなにかと面倒くさいんで、
もう塾をやめさせたかったが、ココでズバッと切ったら
今後ナニを言われるか分かったもんじゃない。
で、なんとか自ら塾を去っていただけるように仕向けるため
「3年生は今後も、入試までこの方法で授業を行います。
成績も張り出しますし、志望校に対して成績が達していない
ときは本人にもダイレクトに言います。
もちろん、お宅のお子様だけに特別な配慮をするというのは
うちの塾ではできかねますので・・・」
って、アタリマエのことをお伝えしたのである。
すると・・・ママゴンはしばらく無言のあと
「検討します」ってぼそっと言って電話を切ったのである。
検討する・・・・って・・・・・
意味がわからない。
遠まわしに「やめてください」っていう私の本意が
伝わらなかったのだろうか・・・・
数日後・・・・・
妹が兄の月謝袋を持ってやってきた。
(実は、こいつの妹もうちの塾に在塾しているのである・・・・)
で、月謝袋を見ると・・・・・
あ?月謝が半額だけ入ってる・・・・・
で、月謝袋の上に、
「息子がヤル気を無くしたので、塾をやめます。」
ってナブリ書きが・・・・
お~オレのせいかヨォ~
で、月謝半分て言うのは、その仕返しかぁ~
もうイイ・・・面倒くさいからまけといてやる。
公立の入試まであとわずか・・・・
本当に必死で頑張っている子供たちのことで
わたしゃ頭がいっぱいなのである。
こうやって親子で傷を舐め合い、かばい合い
すべてを人のせいにして生きていけるほど世の中は甘くない。
ま、それにしても・・・・・・
結局一番バカを見たのは、この息子である。
このバカ息子だって、この時もし母親が
「なにバカなこと言ってんの!
悔しかったら勉強して成績あげなさい!」
って息子の背中を一押ししてれば・・・・
今も志望校目指して友達と机を並べていたはずである。
インフルエンザと同じくらい日本各地で猛威を
奮っているモンスターママゴンたちは・・・・
その本当の被害者が、自分の子供だってことに
気づくことはないのだろう。
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