ペルソナ | ワンネス ジュキ オフィシャルブログ「三度の飯より飯が好き」Powered by Ameba
ある豊かな森に
ピンク色をしたワニがいました。


森の中で、目立つピンクに生まれてしまったワニは
いつもロクに餌も捕れずにお腹を空かせていたのです。



森の住人たちは
「気持ち悪い」
「呪いだ」
と彼を嫌っていました。

…そんな、一人ぼっちで生きてきた彼に
あるとき友達が出来ました。


それは上手く飛べない小鳥

仲良くなった小鳥は、彼の背中から、毎日飛ぶ練習をしました。


ワニは初めての友達が出来て、それはそれは喜びました。



毎日、一緒に川で水浴びをしたり、小鳥の歌を聞いたり。



だけど、ワニはいつもお腹を空かせています。


何故なら、ピンク色だから。



森では目立ち過ぎる色
獲物は皆、彼が見つける前に逃げてしまう。

あるとき


彼は空腹のあまり、目を回して…


彼の口の中で眠っていた友達の小鳥を、
バクン!
と食べてしまいました。



彼はすぐ気が付いて顔を真っ青にしました。
黒沼の泥水を飲んで吐き出したけど、
小鳥は既に息絶えていたのです…

そして彼は、何も食べられなくなりました。

友達の小鳥を食べてしまったワニは、
来る日も来る日も、泣いて泣いて、泣き続けました。

悔やんで、寂しくて…
やがて自分の流した涙に溺れて、彼は息を引き取りました。


涙は湖になり、その周りには美しい花や
美味しい実をつける木々が生い茂ります。


その湖は森じゅうの動物達の憩いの場となりました…

誰もそこがワニの涙だとは知らず。
誰もワニが居なくなったことさえ知らず。

おしまい。



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