図形の一行問題2024⑬ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された図形の一行問題の第13回です。

 

  その1(智辯学園和歌山2024)

 

下の図の三角形ABCにおいて、BE=AC、BD=CEであるとき、角アの大きさは何度ですか。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. BE=AC」…㋐
  2. BD=CE」よりBD+DE=CE+DEだからBE=DC…㋑
  3. ㋐㋑よりAC=DC。つまり△CADは二等辺三角形で、その頂角Cが70°だから角CAD=(180-70)÷2=55°
  4. したがって角CAE=40°(=55-15)。すると角AECも70°(=180-(40+70))だから△AECも二等辺三角形でAE=AC…㋒
よって㋐㋒よりAE=BEだから△EABも二等辺三角形で、その外角AEC=70°より
 ア=70÷2=35°

 

 

  その2(吉祥女子2024)

 

下の図の4本の直線AE、BF、CG、AB、DHはすべて平行です。AB:BC:CD=3:2:4、BF:CG =5:6のとき、AE:DHをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

 

右矢印 補助線APがEHと平行になるような点Pを考える。AE=PH=①とする

  1. AB:BC:CD=3:2:4」よりAB:AC:AD=3:5:9。するとDP=9とすると補助線から左部分の長さは次のように上から3、5、9となる。また補助線から右部分の長さはすべて①
  2. このとき「BF:CG=5:6」より (3+①):(5+①)=5:6だから25+⑤=18+⑥より①=7

よってAE:DH=①:(9+①)=7:16

 

 

  その3(湘南白百合2024算数)

 

次の図のように、AD=DE=EB、AF= FCの三角形ABCがあります。

(色のついた部分の面積の合計):(色のついてない部分の面積の合計) = [ ア ] : [ イ ] です。
ただし、空欄のアとイは最も簡単な整数の比で表すこと。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 四角形PABCが平行四辺形となるような点Pを考える。すると次のように1つの辺を共有する相似な三角形2組(「ダブルちょうちょ」などとよばれる)ができる
  2. このとき辺の長さの比がPC:DB:EB=3:2:1だから赤の相似形に注目してPH:HB=3:2。また青の相似形に注目してPG:GB=3:1。そしてFは平行四辺形の対角線の交わる点だからPF:FB=1:1。これらを比合わせすると(PB=20とするとFH=2、HG=3、GB=5だから)FH:HG:GB=2:3:5
  3. すると辺の比と面積比の関係より、△CFHの面積を②とすると△CHGは③、△CGBは⑤。このとき△CFBの面積は②+③+⑤=⑩だから△ABCの面積はその2倍で⑳。そして△CDEの面積はこの⅓倍でだから、四角形HDEGの面積は-③=
よって
  • 色のついた部分の面積は△CFH+四角形HDEG+△CGB=②++⑤=
  • 色のついていない部分の面積は⑳-
だからその比は32:28=8:7とわかり
 ア=8、イ=7 完了