以前の記事の続きです。
今年出された数の性質の問題の第9回です。
平方数(清教学園2024)
1から9までの9個の整数をすべてかけあわせた数に、さらに1以上のある整数をかけたところ、その結果は同じ整数を2回かけあわせた数になりました。ある整数のうち最も小さい数はいくつですか。
「1から9までの9個の整数」をそれぞれ素因数分解すると
- 2、3、5、7は素数なのでそのまま
- 4=2×2、6=2×3、8=2×2×2、9=3×3
つまり「1から9までの9個の整数をすべてかけあわせた数」には
「×2」が7つ、「×3」が4つ、
「×5」と「×7」が1つずつつ
入っている。
- これに「1以上のある整数」をかけて「同じ整数を2回かけあわせた数」(=平方数)にするにはそれぞれの素因数の個数を偶数個にしないといけない
- このとき積が「最も小さい数」になるのは「×2」を8個に、「×5」を2個に、「×7」を2個にしたとき
よって(「×2」「×5」「×7」の個数を1つずつふやせばよいから)ある整数のうち最も小さい数は2×5×7=70
倍数の条件(洗足学園2024第3回)
A、B、Cはすべて2桁の数で、AをBで割ると割り切れて、商は2の倍数になります。BをCで割ると割り切れて、商は3の倍数となります。また、Cは7で割り切れます。このとき、A+B+Cを計算しなさい。
「AをBで割ると割り切れて…BをCで割ると割り切れ」るから3つのなかではCが一番小さいことがわかる。
- そこでCを基準に考えると「Cは7で割り切れ」る「2桁の数」だからCの候補は14、21、28、35、…
- また「BをCで割ると割り切れて、商は3の倍数」だからBの候補は14×3=42、21×3=62、28×3=84(または14×6=84)の3つだけ
- さらに「AをBで割ると割り切れて、商は2の倍数」だからAは42×2=84に決まる。こうしてB=42、C=14も決まる
よってA+B+C=84+42+14=140
商とあまり(吉祥女子2024)
整数Aがあり、283をAで割った余りは、356をAで割った余りよりも4だけ小さく、463をAで割った余りより4だけ大きいです。整数Aを答えなさい。
「463をAで割った余り」をとして3つの数の関係をAを使って図にすると
ここからわかるのは3つの数から余りを引くと
- 283-4-=279-(…ア)
- 356-8-=348-(…イ)
- 463-(…ウ)
はすべてAの倍数となる。すると
- アとイの差(348-279=)69はAの倍数で
- イとウの差(463-348=)115もAの倍数
よって69=3×23、115=5×23だからAはこれらに共通する23