以前の記事の続きです。
今年出された場合の数の一行問題の第13回です。
先に3勝する場合の数(中央大学附属2024)
A、Bの2チームで試合を行い、先に3回勝った方を優勝とします。優勝が決まればそのあとの試合は行わず、引き分けもないとき、優勝の決まり方は何通りありますか。
Aが優勝する場合を考える(Bが優勝する場合の数も同じだけあるから最後に2倍する)。Aが3勝何敗で勝つかで場合分けしてしらべると
- Aが3勝0敗で勝つ場合…1通り
- Aが3勝1敗で勝つ場合…はじめの3試合で2勝1敗ということ。これはAABの並べかえだから3通り
- Aが3勝2敗で勝つ場合…はじめの4試合で2勝2敗ということ。これはAABBの並べかえだから4×3÷2=6通り
したがってAが勝つ勝ち方は1+3+6=10通り
よってBが勝つ勝ち方も同じだけあるから、優勝の決まり方はぜんぶで10×2=20通り
円順列(愛知淑徳2024)
図のような正五角形のすべての頂点に黒か白のコインを1枚ずつ置きます。コインの置き方は全部で何通りあるか答えなさい。ただし、回転して同じ置き方になるものは同じものとします。
図のように、5つの頂点に①~⑤の番号をつける。そしていったん①の場所を黒に固定する(最後に①が白の場合=5つとも白の場合の1通りを足す)
すると
- このまま黒1個の形が1通り
- 黒2個の形が②③のどちらに黒を置くかで2通り(④は③と、⑤は②と「回転して同じ置き方になる」ので数えない)
- 黒3個の形が(白2個の形なので⒉の裏返しで)2通り
- 黒4個の形が(白1個の形なので⒈の裏返しで)1通り
- 黒5個の形が1通り
よって黒0個の場合の1通りを最後に足して
1+2+2+1+1+1=8通り
整数の作り方(慶應義塾普通部2024)
4けたの整数があります。千の位の数は百の位の数と異なり、百の位の数は十の位の数以下で、十の位の数と一の位の数の和は10です。このような4けたの整数は何個ありますか。
百の位に注目して❶百の位が9のときから❿百の位が0のときまで場合分けしてしらべる(といっても❶~❾は同じパターンで、❿だけが特別であることは少し手を動かせばすぐにわかる)
すると
- 千の位…「千の位の数は百の位の数と異な」るから8~1の8通り
- 十の位…「百の位の数は十の位の数以下」なので9に決まるから1通り
- 一の位…「十の位の数と一の位の数の和は10」だから十の位が決まれば自動的に決まる(必ずそうなるのでこのあと一の位は無視する)
したがって 8×1=8通り
よって❶~❾の合計が8×(1+2+…+9)=8×45=360通り、❿が81通りあるからあわせて441通り