以前の記事の続きです。
今年出された立体切断の問題の第7回です。
その1(立教新座2024)
図のような、底面が直角二等辺三角形である三角すいA-BCDがあり、4点E, F, G, Hは、それぞれ辺の真ん中の点です。この4点を通る平面で三角すいA-BCDを切断したとき、点Bをふくむ方の立体の体積を求めなさい。ただし、三角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3で求めるものとします。
切断された立体をわかりやすく直角三角形CGHが底面になるように立ててみると次のような断頭三角柱になっているのがわかる。
このとき
- 底面積…6×3÷2=9㎠
- 平均の高さ…(12+6+6)÷3=8㎝
だからこの立体の体積は9×8=72㎤
その2(安田学園2024)
右の図のように1辺が12cmの立方体があります。辺ABと辺ADの中点をそれぞれP, Qとします。3点P, Q, Fを通る平面で立方体を切ったとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 頂点Aを含む立体の体積を求めなさい。
- 定番のやり方で、EA、FP、HQをのばしてできる、三角形EFHを底面とする大きい三角すいを考える
- これを(上半分にできた)三角形APQを底面とする小さい三角すいとくらべると、辺の比が2:1だから体積比は8:1。つまり求める「頂点Aを含む立体」の体積は大きい三角すいを⅞倍したものとなっている
よってその体積は
12×12÷2×24÷3×⅞=504㎤
⑵ さらに、3点P、C、Gを通る平面で切りました。このとき、頂点Dをふくむ立体の体積を求めなさい。
また、この問題は答えだけではなく、途中式や考え方を含めて答えなさい。
❶「3点P、C、Gを通る平面」は長方形となるが、その4つめの頂点をMとし、MGとFHの交わる点をNとすると、求める立体のイメージ図は次の赤の立体となる
❷この赤の立体のまわりにある4つの立体
- ①立方体ABCD-EFGH
- ②断頭三角柱APQ-EFH
- ③三角柱PBC-MFG
- ④三角すいP-FMN
に注目すると、②と③は④で重なっていることから、求める立体の体積は①-②-③+④として求められる。
❸それぞれ体積を求めていくと
- ①立方体ABCD-EFGH…12×12×12=1728㎤…ア
- ②断頭三角柱APQ-EFH…小問⑴で求めた504㎤…イ
- ③三角柱PBC-MFG…立方体ABCD-EFGHの¼の大きさだから1728×¼=432㎤…ウ
- ④三角すいP-FMN…底面の三角形FMNはMF(6㎝)を底辺とみると(下図のように△HGNと△MFNは相似比2:1の相似形なので)高さ4㎝だからその面積は6×4÷2=12㎠。 このとき三角すいP-FMNの高さはPM=12㎝だからその体積は12×12÷3=48㎤…エ
よって求める立体の体積は
ア-イ-ウ+エ=1728-504-432+48=840㎤