以前の記事に関連する話です。
今回取り上げるのは「ハーシャッド数」です。約数と関係する話です。
整数Xについて、Xの各位の数の和がXの約数になっているとき、整数Xを「ハーシャッド数」と呼びます。例えば、整数12は、各位の数の和は1+2=3であり、3は整数12の約数になっているため、12はハーシャッド数です。整数15は、各位の数の和は6であり、6は整数15の約数になっていないので、15はハーシャッド数ではありません。このとき、次の各問いに答えなさい。(逗子開成2023第3次)
⑴ 整数418に最も近いハーシャッド数を求めなさい。
418の各位の数の和は 4+1+8=13。13は418の約数でない(418÷13=32.1…)からハーシャッド数でない。
そこで418から数を1ずつ大きくしていくと
- 419…13+1=14。14は419の約数でないので違う
- 420…4+2=6。6は420の約数だからハーシャッド数
つぎに418から1ずつ小さくしていくと
- 417…13-1=12。12は417の約数でないので違う
- 416…12-1=11。11は416の約数でないので違う(416÷11=37.8…)
⑵ 1から1000までの整数のうち、各位の数の和が10であり、かつハーシャッド数になる整数をすべて求めなさい。
「各位の数の和が10」ということは(10を約数にもつから)10の倍数ということ。
とすると一の位は0に決まる。
よって百の位を1、2、3…と大きくして考えていくと
190, 280, 370, 460, 550,
640, 730, 820, 910
⑶ 1から100000までの整数のうち、各位の数の和が5であり、かつハーシャッド数になる整数は全部で何個ありますか。ただし、答えだけでなく途中の考え方も書きなさい。
ケタ数で場合分けして考えると
- 1ケタ…5だけで1通り…①
- 2ケタ…50だけで1通り…②
- 3ケタ…140, 230, 320, 410, 500の5通り…③
4ケタの数と5ケタの数は少し多くなるので注意して数える。
まず5の倍数なので一の位は必ず0になる。
最大の位を1、2、3…と大きくして考えていくと
4ケタの数
- 千の位が1「1XX0」のとき…残り4だから百の位と十の位は(0,4)(1,3)(2,2)(3,1)(4,0)の5通り
- 千の位が2「2XX0」のとき…残り3だから百の位と十の位は(0,3)(1,2)(2,1)(3,0)の4通り
- 同じように数えて「3XX0」の形が3通り、「4XX0」の形が2通り、「5XX0」の形が1通り
5ケタの数
❶万の位が1の場合
- 「10XX0」のとき…残り4だから百の位と十の位は5通り
- 「11XX0」のとき…残り3だから百の位と十の位は4通り
- 同じように数えて「12XX0」のとき3通り、「13XX0」のとき2通り、「14XX0」のとき1通りだからぜんぶで 5+4+3+2+1=15通り
❷万の位が2の場合
- 「20XX0」のとき…残り3だから百の位と十の位は4通り
- 同じように「21XX0」のとき3通り、「22XX0」のとき2通り、「23XX0」のとき1通りだからぜんぶで 4+3+2+1=10通り
それ以外も同じように考えて
❸万の位が3の場合…3+2+1=6通り
❹万の位が4の場合…2+1=3通り
❺万の位が5の場合…1通り
だから5ケタの数はぜんぶで
15+10+6+3+1=35通り…⑤
よって1から100000までの整数のうち各位の数の和が5のハーシャッド数になる整数は①②③④⑤の和でぜんぶで
1+1+5+15+35=57個
*ぜんぶ書き出すと
1けた…5だけで1コ
2けた…50だけで1コ
3けた…140, 230, 320, 410, 500の5コ
4けた…1040, 1130, 1220, 1310, 1400, 2030, 2120, 2210, 2300, 3020, 3110, 3200, 4010, 4100, 5000の15コ
5けた…10040, 10130, 10220, 10310, 10400, 11030, 11120,
11210, 11300, 12020, 12110, 12200, 13010, 13100, 14000,
20030, 20120, 20210, 20300, 21020, 21110, 21200, 22010, 22100, 23000,
30020, 30110, 30200, 31010, 31100, 32000,
40010, 40100, 41000, 50000 の35コ