以前の記事の続きです。
数の性質からの今年の出題例の第4弾です。
5けたの整数の和(筑波大学付属2023)
2、3、4、5、6を1回ずつ使ってできる5けたの整数とそれを逆の順に並べてできる整数の和について考えます。例えば、5けたの整数を45623とすると、それを逆の順に並べてできる整数は32654となり、和は78277になります。では、和が88888になる5けたの整数は全部でいくつありますか。
5けたの整数をABCDEとして筆算の形で考えると
❶百の位に注目するとCは4に決まる。
❷万の位と一の位…A+E=8より考えられるAとEの組(A,E)は次の4組のどれか。
①(2,6)、②(6,2)、③(3,5)、④(5,3)
❸千の位と十の位…B+D=8より考えられるBとDの組(B,D)は次の4組のどれか
ア(2,6)、イ(6,2)、ウ(3,5)、エ(5,3)
そして「2、3、4、5、6を1回ずつ」しか使えないから❷❸で可能な組み合わせは
①とウ、①とエ、②とウ、②とエ、
③とア、③とイ、④とア、④とイ
の 8通り
カギの番号(巣鴨中2023第Ⅱ期)
あるロッカーのカギの番号は、0から9までの10種類の数字を使って、0000から9999までの10000通りを考えることができます。この中で、3種類以上の数字を使ってできるカギの番号は何通りですか。
❶1種類の数字を使った番号、❷2種類の数字を使った番号がそれぞれ何通りあるかまず求め、これを全体の10000通りから引いて求める。
❶1種類の数字を使うとき
0000、1111、2222、…、9999の10通り
❷2種類の数字を使うとき
1、まず「どの2つの数字を使うか」を考えると10コの数から2コを選ぶ選び方で 10×9÷2=45通り
2、つぎに「どう並べるか」を考えるとたとえば1と2を選んだときその並べ方は
- 2コずつ使うパターン…1122、1212、1221、2112、2121、2211の6通り
- 3コと1コで使うパターン…1112、1121、1211、2111、2221、2212、2122、2221の8通り
の合計14通りある。他の数でも同じでそれぞれ14通りずつある
3、したがって❶❷の番号はぜんぶで 45×14=630通り
よって 10000-(10+630)=9360通り
0を何回書くか(横浜富士見丘学園2023)
整数のはんいを決めて小さい順に書いていき、0の個数を数える作業をします。例えば100から110までの数とすると、
100、101、102、…、109、110 なので、0の個数は12個となります。
次の▢に最も適した答えを求めなさい。
⑴ 10から100までの数では、0の個数は▢個です。
10、20、30、…、90と90までは10ごとに1つずつ出てくるから9コ。100だけ2コあるのであわせて11個
⑵ 100から1000までの数では、0の個数は▢個です。
まず100から999までケタごとに調べると
- 1の位の0…「XX0」として考えるとXXに入るのは10~99までの90コ
- 10の位の0…「X0X」として考えると百の位のXに入るのは1~9の9通り、一の位のXに入るのは0から9までの10通りだから 9×10=90コ
これに1000にある3コを足してぜんぶで 183コ
6で割り切れない整数(海城2023)
100以上200以下の整数について、次の問いに答えなさい。
⑴ 6で割り切れない整数は何個ありますか。
まず6で割り切れる整数を考えると
- 1から100までに 100÷6=16
- 1から200までに 200÷6=33
あるからその個数は 33-16=17コ
よって「100以上200以下の整数」はぜんぶで101コだから6で割り切れない整数は
101-17=84個
⑵ 6で割ると4余る整数の和を求めなさい。
条件に合う一番小さい整数は 6×16+4=100、一番大きい整数は 6×32+4=196
とするとその個数は 32-16+1=17コ
よってその和は
(100+196)×17÷2=148×17=2516
⑶ 6で割り切れない整数の和を求めなさい。
まず6で割り切れる整数を考えると
- その個数は 6×17=102 から 6×33=198 までの17コ(=33-17+1)
- この17コの和は (102+198)×17÷2=150×17
ここで100から200までの整数の和は
(100+200)×101÷2=150×101
よって6で割り切れない整数の和は
150×(101-17)=150×84=12600