さいころを積み重ねる | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

さいころを使った問題は大きく①場合の数の問題、②すごろくの問題、③展開図にしたときの目をあてる問題、④転がしたときの目をあてる問題、⑤積み重ねたときの目をあてる問題、の5つに分けられるようです。

 

今回は⑤さいころを積み重ねると目はどうなっているかという問題です。

 

向かい合う面の目の数の和が7になる図1のようなさいころがあります。このさいころをいくつか使って、さいころの面と面をびったり重ねて立体を作り、机の上に置き、周りから見ることができるさいころの面の目の数の和を考えます。たとえば、図2のように、2個のさいころを使って立体を作り、机の上に置くと、周りから見ることができるさいころの面の目の数の和は29になります。このとき、次の問いに答えなさい。(高田中2023)

⑴ 図3のように、3個のさいころを使って立体を作り、机の上に置きます。この立体を図3の矢印の方向から見ると、図4のように見えます。このとき、周りから見ることができるさいころの面の目の数の和は42でした。図4のアの面の目の数はいくつですか。

 

右矢印 まずさいころの常識として向かい合う面の和は76面の和は21

3つのさいころのうち上にあるのを「さいころ①」、図4で下の手前にあるのを「さいころ②」、下の奥にあるのを「さいころ③」とする。

それぞれのさいころについて「周りから見ることができるさいころの面の目の数」を調べていくと

  • さいころ①…図3と図4で4面(1、3、5、6)が見えている。そして5の向かいの面も「周りから見ることができる」からこの目2も足してその和は 1+3+5+6+2=17
  • さいころ②…周りから見ることができるのは3面(向かい合う面1組とア)でその和は ア+7
  • さいころ③…周りから見ることができるのは4面(向かい合う面1組と3と6)でその和は 7+3+6=16
これらの「目の数の和は42」だから
 17+ア+7+16=42 より ア=2
 

⑵ 図5のように、6個のさいころを使って立体を作り、机の上に置きます。周りから見ることができるさいころの面の目の数の和が最も小さくなるように置くとき、その和はいくつですか。



 

 

右矢印 さいころに①から⑥の番号をつける。

  • 向かい合う面がどちらも見えているものが計7組あり(青の面。さいころ①だけ2組、さいころ②~⑥はそれぞれ1組)ここの合計は 7×7=49 に決まる。
  • それ以外に見えている面が①②③はそれぞれ1面、④は2面、⑤は0面、⑥は2面ある。ここが1面なら1に、2面なら1と2に決めるとき最も小さくなるからその和は 1×3+(1+2)+0+(1+2)=9
よって見える面が最小となるときの和は
 49+9=58

 

⑶ 図6のように、16個のさいころを使って立体を作り、机の上に置きます。周りから見ることができるさいころの面の目の数の和が最も小さくなるように置くとき、その和はいくつですか。

 

右矢印 まず①から⑥の番号をつけたさいころについて調べると(なおグレーのさいころ6コはこれと同じことなので最後に2倍してすませる)

  • 向かい合う面がどちらも見えているところがそれぞれ1組あるから計6組ある(赤の面)。ここの合計は 7×6=42
  • それ以外に見えている面が①④⑥に2面ずつある。ここを1と2に決めるのが最も小さくなるからその和は (1+2)×3=9

グレーの部分も同じだから2倍するとここまででさいころ12コの和が

 (42+9)×2=102

 

つぎに残り4コのさいころについても次のようにアからエの記号をつけて調べると

  • アは向かい合う面がどちらも見えているものが2組ある。それ以外に見えている上の面を1に決めると、見える面が最小となるときの和は 7×2+1=15
  • イウエは見えている面(向かい合わない)が2面ずつあり、ここを1と2にするときが最小だからその和は (1+2)×3=9

よって見える面が最小となるときの和は 102+15+9=126 完了