以前の記事の続きです。
今回は正八角形の転がり移動についての問題です。
次の問いに答えなさい。(海城2023第2回)
⑴ 図1は正八角形を4本の線で分けたものです。アの部分とイの部分の面積の比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
正八角形の1辺の長さを1とすると
- アの面積は 1×1÷2÷2=0.25
- イの面積は1×1=1
よってアとイの面積比は 0.25:1=1:4
⑵ 図2のように正八角形と直線があります。正八角形の1辺が直線上にあるとき、その右側にある頂点を中心に、次の1辺が直線上にくるまで回転させることを「ころがす」ということにします。正八角形の1つの頂点Pを、直線上の点Aからはじめて、1回ころがすごとに、頂点Pが移った先をB、C、D、E、F、G、Hとすると、図3のようになります。
もとの正八角形と八角形ABCDEFGHの面積の比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
小問⑴の結果を利用する別解がきっとあるはずですが、ここは次のように等積変形を使った方がより早く正解にたどり着けるかと思います。
この正八角形の面積を8とするとこれを8等分した二等辺三角形(青)の面積は1。またこれをかこむ長方形(赤)の面積は4
ここで八角形ABCDEFGHについてみると
三角形アは三角形イと合同。三角形イと三角形ウは同じ面積だからアはウに等積変形できる。
とすると(左右対称なので右側も同じことだから)八角形ABCDEFGHはまず次の六角形に等積変形できる。
また三角形エは三角形オと合同だからエはオに等積変形できる。
とすると(右側も同じことだから)八角形ABCDEFGHは最終的に次の長方形に等積変形できる。
この長方形には上で見た面積4の長方形(赤)がちょうど6コかくれているからその面積は24。
よってもとの正八角形(面積8)と八角形ABCDEFGH(面積24)の面積比は
8:24=1:3