以前の記事の続きです。
単位計算は塾でがっつり取り組むことはまずない地味な単元ですが、毎年そこそこ出題されているので手薄にならないよう独自に対策しておく必要があります。
今年の出題例としてたとえば次のようなものがあります。
通貨(山脇2023算数)
スイスのお金の単位はフラン、韓国のお金の単位はウォンといいます。1フラン=142円、1ウォン= 0.11円とするとき、44フランは何ウォンになりますか。
44フランを円にすると「142×44」円(計算すると6248円となるが二度手間にならないように計算しないでおく)。これをウォンにすると
142×44÷0.11=142×400=56800ウォン
雨水①(洛星2023)
面積が0.6ha(ヘクタール)のグラウンドに雨が降り、1㎝の高さまで水がたまりました。たまった水は、5Lのバケツ▢杯ぶんです。
a(アール)とha(ヘクタール)は教室、校庭とイメージで結びつけておくと忘れにくい。1aはだいたい教室の広さで10m×10m、1haはだいたい校庭の広さで100m×100mとなります。
単位を平方センチ(㎠)と立方センチ(㎤)でそろえる。
- まず「面積が0.6ha」を平方センチにすると 1ha=100m×100m=10000㎝×10000㎝=100000000㎠(ゼロが8コ)だから 0.6ha=60000000㎠(ゼロが7コ)
- ここに「1㎝の高さまで水」がたまると 60000000㎠×1㎝=60000000㎤(ゼロが7コ)
- これを5L=5000㎤で割ると 60000
000㎤÷5000㎤=12000
よって 12000杯ぶん
雨水②(明治大学付属八王子2023)
1時間の降水量が3mmのとき、1㎢の土地に30分間で降った雨水の量は何kLですか。
「k(キロ)がつくと1000倍」だけおさえておく(1km=1000m、1kg=1000gという身近な例で)ことで1kL=1000Lは暗記しなくても現場で出せます。
なお本問の正答率は合格者17%、不合格者8%とかなり低くなっており(学校発表)単位計算を苦手とする小学生はやはり多いことがうかがえます。
なお本問の正答率は合格者17%、不合格者8%とかなり低くなっており(学校発表)単位計算を苦手とする小学生はやはり多いことがうかがえます。
同じく単位を平方センチ(㎠)と立方センチ(㎤)でそろえる。
- 「1時間の降水量が3mm」だと「30分間」なら降水量は1.5mm=0.15㎝
- 「1㎢の土地」を平方センチにすると 1000m×1000m=100000㎝×100000㎝=10000000000㎠(ゼロが10コ)
- とすると雨水の量は 0.15㎝×10000000000㎠=1500000000㎤(ゼロが8コ)=1500000L(ゼロが5コ)=1500kL(ゼロが2コ)
よって 1500kL
ヤード法(同志社国際2023)
長さの単位であるヤード、フィート、インチは以下の関係があります。
1インチ=2.54cm
1フィート=12インチ
1ヤード=3フィート
次の問いに答えなさい。ただし、
13インチ=1フィート1インチ、4フィート=1ヤード1フィートのように、できるだけ大きい単位を用いること。
① 5ヤード1フィート8インチは何m何cmですか。
② 1.27mは何ヤード何フィート何インチですか。
米国メジャーリーグで大活躍中の大谷選手ですが、先月打った第30号ホームランの飛距離493フィート(=150.2664メートル)は現時点で今季メジャーリーグの最長飛距離となっています。そういった話題性を考えると本問のような問題が来年の中学入試で出されてもおかしくないところです。
①「5ヤード1フィート8インチ」をできるだけラクに計算できるように直していくと
- 5ヤードは 3×5=15フィート なので「16フィート8インチ」
- 16フィートは 12×16=192インチ なので「200インチ」
- 200インチは 2.54×200=508㎝
よって 5m8cm
②「1.27m」=127㎝を同じように直していくと
- インチにすると 127÷2.54=50 で「50インチ」
- フィートにすると 50÷12=4あまり2 で「4フィート2インチ」
- ヤードにすると 4÷3=1あまり1 で「1ヤード1フィート2インチ」
よって 1ヤード1フィート2インチ