以前の記事の続きです。
さいころを転がすという問題の出題例が近年またふえてきているように感じます。思考力重視という受験界の大きな流れに沿った問題作りがしやすいということかも知れません。
たとえば今年の入試問題では次のようなものがあります。
図1のマス目のアの位置に、図2のようにさいころを置き、イの位置までマス目に沿って右または下に転がします。(女子学院2023)
⑴ さいころの転がし方は全部で▢通りです。
下図のような格子状の道を最短距離で行く道順を考えればよい。
よって 10通り
⑵ 図3のように転がすとき、さいころの上の面に現れる6つの目の和は▢です。ただし、さいころの向かい合う面の目の和は7です。
1、2、3の目がどう動くかだけを追っていけば(1の裏は6、2の裏は5、3の裏は4であることも考え合わせると)上の面は次のように決まる。
よって 2+4+5+6+3+2=22
⑶ さいころの上の面に現れる目の和が、⑵と同じになる他の転がし方を1つ、右の図に図3のようにかきこみなさい。
小問⑵の数の並びをじっと見ていると、5の上に1をくっつけるとさいころの展開図になることに気づく。
とすると2と3の位置を次のように変えてもさいころの展開図になるし「さいころの向かい合う面の目の和は7」も守られているので、これが正解の一つではないかと想像がつく。
そこで確認してみると
とたしかにこのような転がり方をすることがわかる。
よって他の転がし方の一つは次のとおり。
別解
いかに時間をかけずに(残り9通りあるなかから)1つを見つけるかということで展開図から発想したのが上の考え方ですが、もう1つの切り口としてさいころを同じ方向に3回転がしたとき4つの目の和は必ず14になるというものがあります。これを使うと
という2つのうちのどちらかでがうまく6になれば合計22ができあがるところ、右側の図がちょうどそうなるので下図の別解が見つかります。