以前の記事の続きです。
本来のコラッツ予想は「奇数のときは3倍して1をたす」という操作になりますが、似たような操作をしたら結果はどうなるかを考えさせる問題がよく出されます。
今年の出題例です。
その1(桜美林2023帰国)
どのような整数でも、次の操作を何回か行うと0にすることができます。
操作ア その整数が偶数のときは、2でわる。
操作イ その整数が奇数のときは、1をひく。
例えば、7は、
となり、5回の操作を行うと0になります。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 35は何回の操作を行うと0になりますか。
偶数なら2でわり奇数なら1ひくから
35→34→17→16→8→4→2→1→0
で 8回
⑵ 4回の操作を行うと0になる整数をすべて答えなさい。
逆から考えると
- 0←1←2←3←6
- 0←1←2←4←5
- 0←1←2←4←8
なので 5、6、8
⑶ 6回の操作を行うと0になる整数がいくつかあります。そのうち、操作アを4回、操作イを2回行うと0になる整数は4つあります。その4つの整数を答えなさい。
小問⑵をヒントに、最後2回の操作はすべて「0←1←2」となるのがわかる(ここで操作アを1回、操作イを1回行うことになる)。
とするとこれを引いて操作アを3回、操作イを1回行うと2になるものを見つければよい。
「アアアイ」の並べかえは4通りあるから順に調べていくと
❶アアアイの順で行うとき…0←1←2←4←8←16←17
❷アアイアの順で行うとき…0←1←2←4←8←9←18
❸アイアアの順で行うとき…0←1←2←4←5←10←20
❹イアアアの順で行うとき…0←1←2←3←6←12←24
より 17、18、20、24
その2(灘2023第2日)
次の【操作】を考えます。
【操作】奇数に対しては3を足す。偶数に対しては2で割る。
たとえば、1から始めて【操作】を1回行うと、4が得られます。また、5から始めて【操作】を4回行うと、5→8→4→2→1となり、1が得られます。
⑴ 81から始めて【操作】を3回行うと、▢が得られます。また、81から始めて【操作】を2023回行うと、▢が得られます。
奇数なら3を足し偶数なら2で割るから、81から始めると
81→84→42→21→24→12→6→3→6→3→…
となるから3回行うと21になる。
また6回めからは6→3→6→3…のくり返しになるのがわかり、偶数回なら6、奇数回なら3になるから2023回行うと3になる。
⑵ 整数Aから始めて【操作】を6回行うと、初めて1が得られました。Aとして考えられる数をすべて求めなさい。
逆から考える。いくつかやってみると最後の3回は必ず「1←2←4←8」だとわかるから、その残りに注目して【操作】を3回行うと8になるものを見つければよい。すると
- 8←5←10←7
- 8←5←10←20
- 8←16←13←26
- 8←16←32←29
- 8←16←32←64
なので 7、20、26、29、64
⑶ から始めて【操作】を何回行うと、初めて1が得られますか。
「2を2023個かけた数」をわかりやすく[2023個]と書く。
するとはじめの数は[2023個]-1
このとき最初の7回の操作を調べると
- 1回めは3を足して[2023個]+2(偶数)
- 2回めは2で割って[2022個]+1(奇数)
- 3回めは3を足して[2022個]+4(偶数)
- 4回めは2で割って[2021個]+2(偶数)
- 5回目も2で割って[2020個]+1(奇数)
- 6回めは3を足して[2020個]+4(偶数)
- 7回めは2で割って[2019個]+2(偶数)
ここでわかるのは回数が3回ふえるごとに[]内の個数が2ずつへっていくこと。
そこで「1回めは[2023個]+2」を基準に考えると、この[2023個]を[1個]にへらすには
(2023-1) ÷2×3=3033回
の操作が必要。
よって「1回めは[2023個]+2」から3033回の操作を行うと
- 3034回めは[1個]+2=2+2=4
だとわかり
- 3035回めは2で割って2
- 3036回めも2で割って1
となるから 3036回