水の深さ④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

水道を使わない水の深さの問題としてほかにも次のような出題例があります。

 

  水の移しかえ(獨協埼玉2023)

 

同じ量の水を直方体A、三角柱B、円柱Cの3つの容器にそれぞれ入れると水の高さは図のようになりました。このとき、次の各問に答えなさい。

①各容器A、B、Cの底面積の比をもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

 

右矢印 水の深さは A:B:C=6cm:4cm:10cm=3:2:5

同じ量の水」なので底面積の比は水の深さの逆比だから

  A:B:C=⅓:½:⅕=10:15:6

 

②容器Cに入っている水を、容器Aと容器Bの水の高さが同じになるようにすべて移しました。このとき、容器A、Bの水の高さは何cmか答えなさい。

 

右矢印 底面積をA=⑩、B=⑮、C=⑥とする。

このとき容器に入っている水の量はどれも

とするとCに入っている水をAとBに移すとき

  • 水の量は3つ合わせて
  • これを移す先の「容器Aと容器B」の底面積の和は⑩+⑮=㉕

よって「水の高さが同じになる」ときその高さは

 ÷㉕=7.2㎝

 

 

  棒入れ(桜美林2023午後)

 

下の図1のような、縦60cm、横100cm、高さ80cmの直方体の形をした水そうと、図2のような、階段の形をしたおもりがあります。このとき、次の問いに答えなさい。

⑴ 図3のように、おもりの底面が水そうの底につくように入れ、そのまま水を入れていきます。このおもりが入った水そうを満水にするためには、何㎤の水が必要ですか。

 

右矢印 まず図2のおもりは高さ90㎝のうち80㎝が水にしずむこととなる。

そこで青の面を底面と考えて底面積を求めると(たて方向に3つの長方形があるものとして考えると)

 80×30+60×30+30×30=2400+1800+900=5100㎠

このとき高さ30㎝よりしずむ部分の体積は 5100×30=153000㎤

 

よって図1の水そうの容積は 100×60×80=480000㎤ だから満水にするのに必要な水の量は

 480000-153000=327000㎤

 

⑵ おもりが入った水そうが満水になったあと、水を入れることをやめ、おもりを水そうの底に対して垂直に24cmだけ持ち上げました。このとき、水面の高さは何cmになりますか。

 

右矢印おもりを水そうの底に対して垂直に24cmだけ持ち上げ」たときの水そう図を考える。

水そうの底(0㎝)から高さ80㎝までで底面積がどう変わるか考えると

  • 0~24㎝…100×60=6000㎠
  • 24~54㎝…6000-30×90=3300㎠
  • 54~80㎝…6000-30×60=4200㎠

 

そこで高さごとに入る水の量を考えると

  1. 高さ24㎝以下にある水の量は6000×24=144000㎤
  2. 高さ24㎝~54㎝にある水の量は3300×30=99000㎤。ここまで合計してもまだ 144000+99000=243000㎤ で全体の水の量327000㎤には足りない(あと327000-243000=84000㎤)
  3. とすると高さ54㎝以上の部分の底面積4200㎠だから54㎝以上にある水の高さは20㎝(=84000㎤÷4200㎠)

よって水面の高さは 54+20=74㎝ 完了