ニュートン算2023⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きになります。

 

今年出題されたニュートン算の入試問題の第6弾です。

 

  動物園の入園(森村学園2023第3回)

 

ある動物園では開園時刻前に80人の列ができており、Aさんは前から80番目に並んでいました。開園と同時に1つのゲートが開き、開園から数分後、Aさんが入場する前にゲートが2つに増えました。ゲート増加後は2つのゲートから入場できるようになり、Aさんは開園から7分後に入場することができました。列がなくなるまで、 1つのゲートにつき15秒ごとに2人ずつゲートを通ります。このとき、次の問に答えなさい。

⑴ ゲートが2つに増えなかったとすると、Aさんが入場できるのは開園から何分後でしたか。

 

右矢印1つのゲートにつき15秒ごとに2人ずつ」ゲートを通るからゲート1つで毎分8人が入場できる。

よって「前から80番目」にいるAさんの入場は 80÷8=10分後

 

⑵ ゲートが増えたのは開園から何分後ですか。

 

右矢印 ゲートが増える前は毎分8人ずつ入場していたのが「ゲートが2つに増えた後は毎分16人になる。

Aさんは開園から7分後に入場」できたから7分で80人が入場したときのつるかめ算の図を書くと

 8人×4分+16人×3分=80人

という状況だったとわかるから 4分後

 

⑶ 開園してからも、1分間あたり12人ずつ列に加わりました。この列がなくなるのは開園してから何分後ですか。ただし、列がなくなるまでゲートは2つに増えたままとします。

 

右矢印 まず開園4分後までを考えると

  1. 毎分8人が入場したから行列からへったのは32人
  2. 開園後も「1分間あたり12人ずつ列に」加わったから4分間で行列に加わったのは48人
  3. とすると最初に80人が並んでいたから4分後の行列は96人(=80-32+48)だった

そして開園4分後以降を考えると、ゲート2つで入場できる人数は毎分16人、並ぶ人数が毎分12人だから、へっていくのは毎分4人

よって 96÷4=24 より、行列がなくなるのは開園4分後から数えて24分後だから 28分後

 

 

  テーマパークの入園(早稲田中2023第2回)

 

あるテーマパークでは、入場のときに機械窓口か係員窓口で、チケットを確認します。チケットを確認するのに1人あたりかかる時間はそれぞれ一定で、機械窓口でかかる時間は係員窓口でかかる時間の0.7倍です。このテーマパークでは午前9時ちょうどから入場を開始しますが、毎日午前9時より前の同じ時刻から毎分15人の割合でつぎつぎと人が並び始めます。
午前9時から機械窓口2つでチケットの確認を始めると、午前10時28分に入場を待つ人がいなくなります。
また、午前9時から機械窓口1つでチケットの確認を始めて、午前9時16分からさらに係員窓口を2つ開くと、午前10時12分に入場を待つ人がいなくなります。
次の問いに答えなさい。

⑴ 機械窓口1つでチケットを確認するのにかかる時間は1人あたり何秒ですか。

 

右矢印機械窓口でかかる時間は係員窓口でかかる時間の0.7倍」だから係員窓口で入れる人数を毎分人とすると機械窓口で入れる人数は毎分人(かかる時間の比が機械窓口:係員窓口=10:7のとき入場できる人数の比はかかる時間の逆比の7:10なので)

 

❶「午前9時から機械窓口2つでチケットの確認を始めると、午前10時28分に入場を待つ人がいなく」なる。このとき「毎分15人の割合で」並ぶ人がふえるから行列がへっていく速さは毎分(-15)人。これが午前9時から10時28分までの88分間でなくなるから、午前9時に並んでいた人数は -1320(=(-15)×88)と表せる

 

❷「午前9時から機械窓口1つでチケットの確認を始めて、午前9時16分からさらに係員窓口を2つ開くと、午前10時12分に入場を待つ人がいなく」なる。このとき①午前9時から9時16分まで(16分間)の行列がへっていく速さは毎分(-15)人、②午前9時16分から10時12分まで(56分間)の行列がへっていく速さは毎分(-15)人。とすると午前9時に並んでいた人数は -1080(=(-15)×16+(-15)×56=-240+-840)と表せる

 

❸これらは同じ人数だから -1320=-1080 より =240 だから =⁶⁰⁄₆₄=¹⁵⁄₁₆

 
よって機械窓口で入れる1分あたりの人数は⁷⁵⁄₈人。1人あたり時間に直すと⁸⁄₇₅分だから 60秒×⁸⁄₇₅=³²⁄₅秒=6.4秒

 

⑵ 人が並び始める時刻は午前何時何分ですか。

 

右矢印 午前9時に並んでいたのは 

 ¹⁵⁄₁₆×1760-1320=330人

だった。とすると午前9時より前も「毎分15人の割合で」列はふえていたから

 330÷15=22

より、並びはじめたのは9時の22分前で

 午前8時38分

 

⑶ 午前9時から係員窓口 2つでチケットの確認を始めると、午前8時52分に並び始めた人が窓口に来るのは午前何時何分ですか。

 

右矢印午前8時38分から「毎分15人の割合で」列はふえていたから「午前8時52分に並び始めた人」の前には 毎分15人×14分=210人がいる。

係員窓口2つだと ¹⁵⁄₁₆×7×2=毎分¹⁰⁵⁄₈人ずつ入場できるから

 210÷¹⁰⁵⁄₈=16

よりこの人の前の列がなくなるのは16分後なので

 午前9時16分 完了