以前の記事の続きです。
今年の入試問題から影のでき方について考える問題です。
1辺が2mの立方体が平らな地面に水平に置かれています。右の図はそれを真上から見た図で、2つの地点A、Bには高さ4mの棒が1本ずつ地面に垂直に立っていて、それらの先に電球が1つずつ取り付けられています。
なお、角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3で求められます。(甲陽学院中2023)
⑴ Aの電球のみをつけたとき、地面にできる立方体の影(立方体の真下は含まない)の面積を求めなさい。
影の様子をイメージすると次のとおり。
これを横から見るとタテ:横=1:2の相似な直角三角形ができているから影の長さは4m
また上から見ると影は次のように直角二等辺三角形(影①)と正方形(影②)になっている。
よって影①が2×2÷2=2㎡、影②が 4×4=16㎡ だから合計18㎡
⑵ Aの電球のみをつけたとき立方体によってAの電球の光が届かない部分(立方体は含まない)はある立体になります。この立体の体積を求めなさい。
影①の上にある立体と影②の上にある立体とに分けて考える。
❶ 影①の上にある立体は「あ」を底面とする三角すいだからその体積は 2×2×2÷3=⁸⁄₃㎥
❷ 影②の上にある立体は「い」を底面とする断頭三角柱とみることができる。このとき高さは2m、4m、4mだから「平均の高さ」を使うと
- 底面積…2×4÷2=4㎡
- 平均の高さ…(2+4+4)÷3=¹⁰⁄₃m
より 4×¹⁰⁄₃=⁴⁰⁄₃㎥
よって求める立体の体積は❶+❷=16㎥
⑶ A、Bの2つの電球をつけたとき立方体によってAの電球の光が届かず、Bの電球の光だけが届く部分(立方体は含まない)はある立体になります。この立体の体積を求めなさい。
小問⑵の❷で求めた⁴⁰⁄₃㎥にはすべてBの電球の光は届くから「Aの電球の光が届かず、Bの電球の光だけが届く部分」といえる。
あとは小問⑵の❶で求めた⁸⁄₃㎥のうち何㎥にBの電球の光が届くかを考えてこれを足せばよい。
その「Aの電球の光が届かず、Bの電球の光だけが届く部分」を考えると、上のように断頭三角柱(黄色)となるから
- 底面積…2×1÷2=1㎡
- 平均の高さ…(2+1+0)÷3=1m
よりその体積は 1×1=1㎥
よって合計すると ⁴⁰⁄₃㎥+1㎥=⁴³⁄₃㎥