食塩水2023⑤ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出題された食塩水の問題の第5弾です。

今回はすべて食塩に注目することで(天びん図を使わなくても)解ける問題になります。

 

  その1(清泉2023)

 

濃さが2%の食塩水200gから水を蒸発させ、食塩水の重さが減った分だけ濃さが2%の食塩水を足したところ、濃さが2.5%の食塩水になりました。蒸発した水は何gですか。

 

右矢印 食塩に注目する。

  1. はじめの「濃さが2%の食塩水200g」には200×0.02=4gの食塩が入っていた
  2. できあがった「濃さが2.5%の食塩水」(これも重さ200g)のなかには200×0.025=5gの食塩が入っている
  3. この食塩の差1gはあとから足した「濃さが2%の食塩水」に入っていたものだからその食塩水の重さは 1÷0.02=50g
よって蒸発した水も 50g
 
 

  その2(清教学園2023)

 

A、B、Cの容器にはそれぞれ濃さが10%、5%、2%の食塩水が入っています。3つの容器から食塩水を適当に取り出して混ぜ合わせると、濃さが8%の食塩水が700gできました。Aの食塩水を450g使用したとき、使用したBの食塩水は何gですか。

 

右矢印 食塩に注目する。

  1. はじめの「Aの食塩水」450gには450×0.1=45gの食塩が入っていた
  2. できあがった「濃さが8%の食塩水」700gには700×0.08=56gの食塩が入っている
  3. この食塩の差11gは「B+C」の食塩水250g(=700-450)のなかに入っていたもの

B、Cそれぞれの重さをつるかめ算で求めると

 200g×5%+50g×2%=11g

よって使用したBの食塩水は 200g

 

 

  その3(田園調布2023第3回)

 

容器Aに8%の食塩水が400g、容器Bに5%の食塩水が400g入っています。Bから200gだけ取り出し、Aへ移してよくかき混ぜた後、Aから200gだけ取り出してBへ移しました。容器Bに入っている食塩水の濃度は何%になりましたか。 

 

右矢印 食塩に注目する。

  1. 容器Aに8%の食塩水が400g、容器Bに5%の食塩水が400g」入っていた→食塩の量はAが32g、Bが20g
  2. Bから200gだけ取り出し、Aへ」移した。Bの食塩水400gのうちのちょうど半分をAに移したから食塩もちょうど半分の10gがBからAに移る→食塩の量はAが42g、Bが10g
  3. Aから200gだけ取り出してBへ」移した。Aの食塩水600gのうちの⅓をBに移したから食塩も⅓にあたる14gがAからBに移る→食塩の量はAが28g、Bが24g
よって最後にできあがったBに入っている食塩水は重さ400g(=400-200+200)なので
 24÷400=0.06 より 6%

 

 

  その4(明大付属中野八王子2023)

 

2つのビーカーに、同じ濃度、同じ重さの食塩水が入っています。1つのビーカーには食塩を16g加え、もう1つのビーカーには水を16g加えました。すると濃度はそれぞれ18.5%と14.5%になりました。はじめにそれぞれのビーカーに入っていた食塩水は何gですか。

 

右矢印 「食塩を16g」加えたビーカーをA、「水を16g」加えたビーカーをBとする。

このあとAとBの濃度は「それぞれ18.5%と14.5%に」なったから、食塩に注目していまAにはg、Bにはgの食塩が入っているとおいてみる。

この差の㊵=16gだから①=0.4g
 

とするとAに入っている食塩は74g(=0.4×185)でBに入っている食塩は58g(=0.4×145)

 

このときBの食塩水の重さは(濃度14.5%なので)58÷0.145=400g。これは水16gを加えたあとの重さなので、はじめに入っていたのは400-16=384g 完了