多角形の角度2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

多角形の角度を求める問題では解き方を一つ決めておく。たとえば補助線を引いて向かい合う三角形をつくり「角を移す」という方法はかなり使えます。

今年だと次のような問題が出題されています。

 

  その1(慶應義塾湘南藤沢2023)

 

以下の図において、印のついたすべての角の大きさの和は▢度である。

 

右差し 補助線を引いて向かい合う三角形をつくり角を移すことを考えます。

 

右矢印 三角形をつくるための補助線を次のように引く。

青の補助線でできた三角形の「角あと角い」と、これと向かい合わせになっている三角形の「角アと角イ」とは

 角あ+角い=角ア+角イ

という関係にある(2つの三角形の対頂角が等しいから)

よって「角ア+角イ」は「角あ+角い」に移すことができるから結局、青で囲んだ四角形の内角の和が求める角度となり 360°

 

 

  その2(品川女子学院2023算数)

 

図の印のついた角の大きさの和は▢°です。

 

右差し やはり補助線を引いて向かい合う三角形をつくり角を移すことを考えます。

 

右矢印 三角形をつくるための補助線2本を次のように引く。

青の補助線でできた三角形の「角あと角い」と、赤の補助線でできた三角形の「角アと角イ」とは

 角あ+角い=角ア+角イ

という関係にある。

よって7角形(青)の内角の和と三角形(赤)の内角の和を足したものが求める角度なので 180×5+180=1080°

 

 

  その3(鎌倉学園中2023)

 

図において、印のついたすべての角の大きさの和は▢度です。

 

右矢印 すでにできている向かい合う三角形(グレー)に注目する。

「角あ+角い」を「角ア+角イ」に移すと青い三角形2つの内角の和になるから360°

 

 

  その4(須磨学園中2023第2回)

 

右の図で、角𝒙の大きさは▢度です。

 

 

角度が22°、23°、24°、25°、26°、27°となっているので𝒙=28°となりそうですが(この図の形を見ても28°でもおかしくない)そうはならないのがおもしろいところです。

右矢印 次のように補助線2本を引いて三角形2つをつくる。ここでできた角あ~角えについて 

 角あ+角い=180-22-25-26=107°

 角う+角え=180-27-23-24=106°

が成り立つ。

 

さらに補助線1本を引いて台形をつくる。

このときできる「角アと角イ」について、台形の内角の和は360°より

 角あ+角い+25°+角ア+角イ+24°+角う+角え=360°

 107°+25°+角ア+角イ+24°+106°=360° より

 角ア+角イ=98°

が成り立つ。

 

最後に角𝒙を頂点とする三角形に注目すると

 𝒙+25°+角ア+角イ+24°=180° より

 𝒙=180°-49°-98°33°完了