以前の記事の続きです。
前回は同じ多角形でも正多角形でない(星形になっている)図形の角度問題を取り上げましたが、今回は正多角形の角度問題です。
基本的には補助線を引いて対応することになりますが、少し難しめのものとして次のような出題例があります。
正八角形と正九角形(甲陽学院中2022第2日)
右の図のように、正8角形と正9角形が、1つの辺が重なるように書かれています。「あ」の角の大きさは▢度です。
下の図のようにタテに補助線を引いて四角形を作る。
❶は正9角形の内角の一つなので140°(=180°×7÷9)
❷は正9角形の内角140°から90°を引いたもので50°
❸は正8角形の内角135°(=180°×6÷8)から90°を引いたもので45°
よって、あ=360°-(140°+50°+45°)=125°
別解
補助線を引かないやり方として、いびつな五角形とみて内角の和540°から計算する方法(左)やいびつな八角形とみて内角の和1080°から計算する方法(右)でも正解は出せますが、角の数が多くなればそれだけ計算ミスや数え間違いがどうしても多くなってしまいます。
正五角形と長方形(市川中2022)
下の図のように、長方形と正五角形を組み合わせたとき、印をつけた角の大きさの和を求めなさい。
下の図のように補助線を引いて考える。
❶正五角形の頂点を通る補助線を長方形と平行に引く
❷錯角で等しいからここも☆
❸正五角形の1つの角は108°より108°-☆
❹同位角で等しいからここも108°-☆
❺正五角形を延長して二等辺三角形(赤い点線)を作るとその頂角は36°
グレーの三角形に注目すると、その外角(★)はとなりあっていない内角の和(❹+❺)に等しいから
★=36°+108°-☆ より ★+☆=144°