場合の数2023⑤ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題された場合の数の入試問題の第5弾になります。

 

  その1(品川女子2023算数)

 

右の図のような道があります。SからGまで一番短い道のりで進むとき、□通りの行き方があります。

 

右矢印 次の4通りはすぐにわかる。

これに見落としやすい次の1通りを足して計5通り

 

  その2(慶應義塾中等部2023)

 

赤色、青色、黄色、緑色のサイコロが1つずつあります。これらのサイコロを同時に1回投げたとき、4つのサイコロの目がすべて異なるような目の出方は、全部で□通りあります。

 

右矢印 1つめのサイコロの目の出方は6通り、2つめのサイコロがこれと異なる目の出方は5通り、3つめのサイコロが最初2つと異なる目の出方は4通り、4つめのサイコロが最初3つと異なる目の出方は3通り。

よって全部で 6×5×4×3=360通り

 

 

  その3(金蘭千里2023)

 

1、1、2、2、3と書かれた5枚のカードがあり、この中から4枚取り出してできる4けたの数は□通りある。

 

右矢印 1を何コ使うかで場合分けすると

  1. 1を1コ使うとき…ひとまず1が千の位にある場合(1■■■)を考えると、■■■には2、2、3が入るのでここの並べ方が3通り。また「1」のおき場所で4通り(千の位、百の位、十の位、一の位)あるから 3×4=12通り
  2. 1を2コ使うとき…ひとまず1が千の位と百の位にある場合(11■■)を考えると、■■には22、23、32が入るのでこの並べ方が3通り。また2つの「1」のおき場所で6通り(4つから2つを選ぶ選び方)あるから 3×6=18通り
1を使わずに4けたの数をつくることはできないので以上がぜんぶで 12+18=30通り
 

 

  その4(渋谷教育学園幕張2023)

 

下の図のように、表にそれぞれ「し」、「ぶ」、「ま」、「く」の文字が書かれたカードが 1枚ずつ、全部で4枚あり、すべて表向きにおいてあります。どのカードも裏には何も書いてありません。さいころを投げるたびに、次のルールにしたがってカードを裏返します。

<ルール>
・1の目が出たら、「し」のカードを裏返す。
・2の目が出たら、「ぶ」のカードを裏返す。
・3の目が出たら、「ま」のカードを裏返す。
・4の目が出たら、「く」のカードを裏返す。
・5、6の目が出たら、4枚のカードをすべて裏返す。
次の各問いに答えなさい。
⑴ さいころを2回投げて、どれか2枚のカードだけが表向きになるような、さいころの目の出方は何通りありますか。

 

右矢印さいころを2回投げて、どれか2枚のカードだけが表向きになる」手順としては、最初は「すべて表向き」だから(たとえば1回めが1、2回めが2のように)2種類の文字を裏返す手順だけ。

 

それには1回めが1~4の4通り、2回めが1~4のうち1回めで出た目以外の目で3通りあるから 4×3=12通り

 

⑵ さいころを4回投げて、4枚のカードがすべて表向きになるような、さいころの目の出方は何通りありますか。

 

右矢印 小問⑴をヒントに「2回投げたときに何枚が表向きになっているか」で場合分けする(1回めに5、2回めに6が出たときを以下「56」のように続けて書く)

❶2回投げたとき4枚とも表…8×8=64通り

  • 1回目で裏返したカードを2回目でもとに戻す手順なのでここまでが8通り(11、22、33、44、55、56、65、66)
  • このあと2回投げて4枚とも表にするには(3回めでどれか裏返したカードを4回めでもとに戻す手順なので)同じく8通り

❷2回投げたときどれか3枚が表…なし

❸2回投げたときどれか2枚が表…12×2=24通り

  • ここまでが12通り(小問⑴)
  • このあと2回投げて4枚とも表にするには、裏返しになっている2枚を3回めと4回めでもとに戻す手順なので(どちらを先に表向きにするかで)それぞれ2通りある

❹2回投げたときどれか1枚が表…16×4=64通り

  • ①1回めでどれか1枚を裏返し2回めで全部を裏返すとき(15、16、25、26、35…)と、②その逆のときがある。①が4×2=8通り、②も8通りあるからここまで16通り
  • このあと2回投げて4枚とも表にするには、①表向きの1枚を3回めに裏返し4回めに全部を裏返すときと、②その逆のときがある。①が1×2=2通り、②も2通りあるからあわせて4通り

❺2回投げたときぜんぶ裏…なし

よって、❶から❺の合計で 64+24+64=152通り 完了