平均算2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題から今回は平均算を取り上げます。

 

  その1(雙葉中2023)

 

A組とB組でテストをしました。A組24人の平均点は72.5点でした。B組30人の平均点は□点でした。2つの組の平均点は68点でした。

 

右矢印 天びん図を書く。

  • A組の人数24を右のおもり、B組の人数30を左のおもりにすると、腕の長さが(その逆比の)4:5となるような支点で天びんはつりあう
  • この支点が平均点68点なので、右の腕の長さは 72.5-68=4.5。左の腕の長さは 4.5×⅘=3.6

よってB組の平均点は 68-3.6=64.4点

 

 

  その2(吉祥女子2023)

 

あるテストを20人の生徒が受けたところ20人の得点の平均は73点でした。また、AさんとBさんを除いた18人の得点の平均は72点でした。Aさんの得点が97点であったとすると、Bさんの得点は何点ですか。


右矢印 天びん図を書く。

  • 右はしはAさんの得点97、おもりはAさんの人数1
  • 左はしは18人の平均点72、おもりはその人数18
  • 支点は平均点73点だから、腕の長さは右が24、左が1

天びんは左右のモーメント(腕の長さ×おもりの重さ)が同じときにつり合うが、いま右が24×1=24、左が1×18=18と差があり、左にあと大きさ6のモーメントが必要。そこで(おもり=Bさんの人数1だから)腕の長さは6と決まり 73-6=67点

 

 

  その3(浅野中2023)

 

あるクラスで算数のテストを行ったところ、平均点は64点でした。最高点のAさんを除いた平均点は63.2点、最低点のBさんを除いた平均点は65点、AさんとBさんの得点差が63点であるとき、クラスの人数は□人で、 Bさんの得点は□点です。

 

右矢印 まず天びん図①を書く。

  • 右はしはAさんの得点で、おもりはAさんの人数1
  • 左はしはAをのぞいた平均点63.2で、おもりはその人数□(=クラスの人数-1)
  • 支点はクラス全体の平均点64点
  • このとき腕の長さは左が0.8、右が□×0.8

同じように、Bさんの得点で天びん図②を書くと

天びん①と天びん②は支点は同じ64。そこで支点64からAの得点までの腕の長さ(□×0.8)とBの得点までの腕の長さ(□×1)を使って、この2つにならべて天びん図③を書くと

ここで「AさんとBさんの得点差が63点」を使うと

 □×1.8=63 より □=63÷1.8=35

 

この□は「クラスの人数-1」とはじめにおいたので、クラスの人数は36人。またBさんの得点は29点(=64-35)

 

 

  その4(大妻多摩2023第2回)

 

下の表は2016年から2022年までの、SDGs達成度の世界163力国中の日本の順位です。2023年の順位が何位になると、2016年から2023年までの順位の平均が16位になりますか。

 

右差し こういう問題も天びん図でも対応できますが、本問はそのまま計算した方が早そうです。

 

右矢印 十の位はぜんぶ1だから一の位だけ考えていく。

2016年~2022年の7年分を足していくと

 8+1+5+5+7+8+9=43

これを「2016年から2023年まで」の8年間で平均16位にするには 6×8=48 が必要で、あと5あればいいから 15位 完了