以前の記事の続きになります。
今年出題されたニュートン算の問題として次のようなものがあります。
水族館の入館(開智中2023)
水族館の前に1800人の行列があり、每分150人ずつこの行列に加わります。入口のゲートを2つあけると60分で行列がなくなり、入口のゲートを7つあけると□分□秒で行列がなくなります。
ニュートン算は線分図で解説するものが多いですが、面積図で考えるのがオススメです。タテをへる速さ、横を時間とすると、その面積がへらしたい量(ほとんどの場合は人数)となります。
開園時の行列の人数が1800人、行列に加わる人数が毎分150人より、入口ゲート1つで対応できる人数を毎分①人とすると「入口のゲートを2つあけると60分」の図は次の通り。
へっていく速さ(タテ)は毎分(➁-150)人、かかる時間(横)は60分なので (➁-150)×60=1800 より➁=180で ①=90人
入口ゲートを7つあけると毎分⑦人=630人が入館できるから、行列がへっていく速さは 630-150=毎分480人。これをタテとしたときの横(時間)は 1800÷480=3.75 より 3分45秒
動物園の入園(国府台女子2023)
開園前の動物園に□人の人が並んでいます。また、開園と同時に1分間に6人ずつ並ぶ人が増えます。入口を2つ開けるとちょうど30分で列がなくなり、6つ開けるとちょうど5分で列がなくなります。
❶「入口を2つ開けるとちょうど30分」の図と、❷「6つ開けるとちょうど5分」の図を書く。
並んでいる人数を□人、入口1つ当たり毎分①人が入場できるとすると、❶入口を2つ開けると毎分➁人、❷入口を6つ開けると毎分⑥人が入場できるので
- ❶では毎分(➁-6)人ずつへっていく。このとき列は30分でなくなるから(➁-6)×30=□
- ❷では毎分(⑥-6)人ずつへっていく。このとき列は5分でなくなるから(⑥-6)×5=□
したがって(➁-6)×30=(⑥-6)×5 より -180=㉚-30
㉚=150 より ①=5人
よって□=(⑥-6)×5=24×5=120人
遊園地の入園①(大宮開成2023)
遊園地で入場券を販売しはじめたとき、すでに行列ができていました。販売窓口が1つのときは42分で行列がなくなり、販売窓口が2つのときは12分で行列がなくなります。販売窓口1つで1分間に15人ずつ販売できます。また販売している間も、一定の人数が行列に並びます。最初の行列には何人並んでいましたか。
❶「販売窓口が1つのときは42分」の図と、❷「販売窓口が2つのときは12分」の図を書く。
いま並んでいる人数を□人、開園後に並ぶ人数を毎分○人とすると
- ❶では窓口1つなので毎分15人に販売できる。このとき列は42分でなくなるから(15-○)×42=□
- ❷では窓口2つなので毎分30人に販売できる。このとき列は12分でなくなるから(30-○)×12=□
したがって(15-〇)×42=(30-○)×12 より 630-㊷=360-⑫
㉚=270 より ①=9人
よって□=(30-①)×12=21×12=252人
遊園地の入園➁(栄東2023・東大特待Ⅰ)
ある遊園地のチケット売り場には開園時に毎日同じ人数の行列ができていて、つねに一定の割合で行列に人が加わります。普段は4つの窓口で開園して20分後に行列がなくなります。今日は開園の準備に手間がかかり、3つの窓口で開園したところ、30分後になっても行列は開園時の半分になっただけでした。そこで窓口を2つ増やしたところ、その□分後に行列がなくなりました。
❶「4つの窓口で開園して20分後」の図と、❷「3つの窓口で開園したところ、30分後になっても行列は開園時の半分になっただけ」の図を書く。
開園時の行列の人数を2⃣人、並ぶ人数を毎分㋐人、窓口1つで対応できる人数を毎分①人とすると
- ❶では窓口4つなので毎分④人が入園できる。このとき2⃣の列が20分でなくなるから(④-㋐)×20=2⃣
- ❷では窓口3つなので毎分③人が入園できる。このとき1⃣の列が30分でなくなるから(③-㋐)×30=1⃣。❶とそろえるため両辺を2倍すると(③-㋐)×60=2⃣
したがって(④-㋐)×20=(③-㋐)×60 より ④-㋐×1=⑨-㋐×3
あと残っている行列は1⃣人。これは(③-㋐)×30=×30=⑮人とあらわせる。