食塩水2023③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出題された食塩水の問題の第3弾になります。

 

  その1(帝京2023)

 

2つの食塩水A、Bがあります。Aは20%の食塩水500gで、Bは15%の食塩水400gです。Aの食塩水を何gかBに移したところ、2つの食塩の量はそれぞれ同じになりました。このときのBの食塩水は何%ですか。

 

右矢印 最初にAに入っていた食塩の量は500g×0.2=100g、Bに入っていたのは 400g×0.15=60g。

食塩の量の合計160gなので80gずつになれば「2つの食塩の量はそれぞれ同じに」なる。

ということはAに含まれる食塩100gのうち80gがAに残り、それ以外の食塩20gがAからBに移ったということ。また「Aは20%の食塩水」なので 20÷0.2=100 より食塩水100gがAからBに移った

 

この結果、Bの食塩水は400+100=500g、食塩は60+20=80gになったから 80÷500=0.16 より 16%

 

 

  その2(芝2023)

 

3つのビーカーに以下のような液体が入っています。
Aの液体は8%の食塩水、Bの液体は7%の食塩水、Cの液体は水です。
⑴ 3種類の液体の量をA:B:C =1:1:1の割合で混ぜると□ %の食塩水になります。  

 

右矢印 同じ量を混ぜると濃度は平均値になるから

 (8%+7%+0%)÷3=5%

 

⑵ 3種類の液体の量をA:B:C =1:2 :□の割合で混ぜると2%の食塩水になります。

 

右矢印 比に合わせて、混ぜた液体の量をわかりやすくA=100g、B=200g(C=□×100g)とする。

このとき食塩の量は 100×0.08+200×0.07=22g

 

食塩22gを含む「2%の食塩水」なので、食塩水の全体量は 22÷0.02=1100g。ここからAの100gとBの200gを引くとCは800gとわかり

 A:B:C=100g:200g:800g

よって、1:2:の割合で混ぜたことがわかる。

 

 

  その3(女子学院2023)

 

□%の食塩水と□%の食塩水の重さの比を3:2にして混ぜ合わせると、11.8%の食塩水になり、1:3にして混ぜ合わせると、9%の食塩水になります。

 

右矢印 「1:3にして混ぜ合わせると、9%の食塩水」の図(天びん1)と「3:2にして混ぜ合わせると、11.8%の食塩水」の図(天びん2)を書く。その際、腕の長さは「1:3」→「⑤:⑮」「3:2」→「⑫:⑧」と合計⑳にそろえておく。

同じ長さ⑳の天びんなのであとは支点の位置の違いに注目すると ⑦=2.8% より ①=0.4%

これを天びん1に入れると「1:3」の「1」のおもりの位置が 9+0.4×15=15%、「3」のおもりの位置が 9-0.4×5=7%だとわかり、左の□から順に 15%、7%

 

 

  その4(獨協2023第3回)

 

食塩水に対して次の操作を行うとき、あとの問いに答えなさい。

操作:食塩水を100g捨てて、水97gと塩3gを加えてよく混ぜる。

⑴ 6%の食塩水300gに対して、操作を1回行ってできる食塩水の濃度は何%ですか。

 

右矢印 それぞれの食塩水に含まれる塩の量に注目すると

  1. 6%の食塩水300g」に含まれる塩は 300×0.06=18g
  2. 食塩水300gの⅓にあたる100gを捨てるから塩も18gの⅓にあたる6gを捨てることとなる
  3. ここに新たに「塩3g」が加わる

よって、できた食塩水300gは 18-6+3=15g の塩を含むので、15÷300=0.05 より 5%

 

⑵ ある食塩水600gに対して操作を2回行うと、5.5%の食塩水ができました。操作を2回行う前の食塩水の濃度は何%でしたか。途中経過を記入すること。

 

右矢印 小問⑴と同じく塩の量に注目する。

 

1回の操作で捨てる100gは全体量600gの⅙。となると塩も同じく⅙が捨てられるから残る塩は⅚。ここに「塩3g」が加わるから、1回の操作後に残る塩は操作前の塩を⅚倍して3gを加えたものとなる。

 

そこで最初の塩の量を□gとすると、

①1回めの操作で塩は (□×⅚+3)gになり

②2回めの操作で塩は ((□×⅚+3)×⅚+3)gになる

 

できた5.5%の食塩水600gに含まれる塩は33g(=600×0.055)だから

 (□×⅚+3)×⅚+3=33 より

 □×⅚+3=36 だから □=33÷⅚=39.6g

よって 39.6÷600=0.066 より 6.6% 完了