数の性質2023⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

数の性質からの今年の出題例の第6弾です。

 

  偶数の和と奇数の和の大小(穎明館2023)

 

2から100までの偶数の和は、1から99までの奇数の和より▢大きいです。

 

右矢印 和から和を引くよりも

 2-1=1、4-3=1、…、100-99=1

と一つずつ引いていって最後に足した方が簡単。これをするとその差は

 1×50=50

 

 

  商と余り(関東学院中2023B)

 

ある整数を23で割ると商と余りが等しくなりました。このような数のうち、最も大きい整数はいくつですか。

 

右矢印 ある数アを23で割ると商と余りがどちらも▢になるとき

 ア÷23=▢あまり▢(▢は22以下の整数)

という式ができる。この式は

 ア=▢×23+▢…①

と書きかえられる(たとえば「7÷2=3あまり1」は「7=2×3+1」と書きかえられることを考える)

 

さらに①は結合法則を使って

 ア=▢×23+▢×1=▢×(23+1)=▢×24

と書きかえられる。

ここで▢は22以下の整数だからアが最も大きくなるのは▢=22のとき。

よって条件をみたす最も大きい整数は

 22×24=528

 

 

  数の大小(須磨学園2023第2回)

 

下のような①2を16回かけた数と②5を8回かけた数について

この2つの数の大きさを比べたとき、小さいほうは▢です。
▢に①か②のどちらが入るか答えなさい。

 

右矢印 ①「2を16回かけた数」は2×2=4を8回かけた数に等しい

とすると①4を8回かけた数の方が②5を8回かけた数より当然小さいから小さいほうは 

 

 

  作れない最大の数(早稲田高等学院中等部2023)

 

10、11、12の数が1つずつ書かれたカードがそれぞれたくさんあります。同じ数の書かれたカードを何枚選んでもよいものとして、選んだカードに書かれた数をすべて足して整数を作ります。例えば、31は10と書かれたカード2枚と11と書かれたカード1枚を足して作ることができますが、25は3種類のカードに書かれた数をどのように足しても作ることができません。このとき、作ることのできない整数のうち最大のものを求めなさい。

 

右矢印 まず10、11、12を1枚使うと10~12のすべての数が作れる。

ここから使う枚数を1枚ずつふやしていき作れる数を調べると

  • 2枚目の10、11、12を使うと20~24のすべての数
  • 3枚目の10、11、12を使うと30~36のすべての数
  • 4枚目の10、11、12を使うと40~48のすべての数
  • 5枚目の10、11、12を使うと50~60のすべての数

が作れる。このあとは10のカードを使うだけで61以上の数がすべて作れてしまうから、60以下で作れない最大の数を上からさがすと 49

 

 

  2の倍数または7の倍数(立教新座2023)

 

1から100までの整数のうち、2の倍数または7の倍数である数について、次の問に答えなさい。
① 8の倍数でないものは何個ありますか。

 

右矢印 まず「1から100までの整数のうち、2の倍数または7の倍数である数」の個数を調べると

  • 2の倍数は 100÷2=50 より 50コ…①
  • 7の倍数は 100÷7=14あまり2 より 14コ…②
  • そのまま①+②をすると2と7の公倍数を2回ずつ数えてしまうからこの1回分を引く。それには2と7の最小公倍数である14の倍数の個数を引けばよくその個数は 100÷14=7 より 7コ…③ 

したがって2の倍数または7の倍数は57コ(=①+②-③)

ここから8の倍数の個数を引けば「8の倍数でないもの」の個数が出せる。

よって 100÷8=12あまり4 より8の倍数は12コあるから求める個数は

 57-12=45個

 

②Aの倍数でないものは56個ありました。Aにあてはまる整数は何通りありますか。

 

右矢印 2の倍数または7の倍数が57コあるのに「Aの倍数でないものは56個」ということはAの倍数は1コだけということ。

  1. まずAは51以上の数だとわかる。もしAが50以下の2の倍数または7の倍数ならA×2も必ず「1から100までの整数のうち、2の倍数または7の倍数」となってしまいAの倍数は2コ以上になってしまうため
  2. そこで51~100の2の倍数を考えると52から100まで25コある
  3. また51~100の7の倍数は56から98まで7コある
  4. 2と7の公倍数が4コ(56、70、84、98)あるから51から100までの整数のうち2の倍数または7の倍数は28コ(=25+7-4)あり、Aがこの28コのうちどれかならAの倍数は1コだけとなる

よってAにあてはまる整数は 28通り 完了