以前の記事の続きです。
次のサイトでも紹介されているように、ここ数年の中学入試ですっかり出題の定番になっているSDGsですが、社会の入試問題だけでなく、算数の問題としても取り上げられることがあります。
たとえばこちらの問題。
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標の「SDGs」について調べてきた花子さんと先生との会話です。会話文を読んで、次の問いに答えなさい。(佼成学園女子2022算数)
花子さん:研究発表の課題として、世界で注目されているSDGsについて調べてきました。
先生:どんなことを調べてきましたか?
花子さん:世界のSDGs達成度ランキングをあらわす資料1を見つけてきました。
先生:ヨーロッパばかりですね。日本はどうでしたか?
花子さん:日本は18位でスコアが79.85でした。6年間の日本の順位をあらわす資料2を見つけました。
先生:2016年から2021年の6年間の日本の順位の平均は[あ]位ですね。日本もさらにがんばらなければいけませんね。
⑴ [あ]にあてはまる数を小数第1位を四捨五入して答えなさい。
この6年間は18位→11位→15位→15位→17位→18位となっているから、
(18+11+15+15+17+18)÷6=94÷6=15.66…
となるから、小数第1位を四捨五入して16位
花子さん:世界の地域別でも調べてみました。地域別の平均スコアは資料3の通りです。これをもとに、棒グラフ[い]を作りました。
⑵ 棒グラフ[い]を完成させなさい。ただし、定規は使えません。
次のとおり
先生:グラフにしてみると、視覚的にわかりやすくなりますね。
花子さん:また、SDGsの取り組みとして日本が特に遅れているのは、「ジェンダー」の項目でした。資料4を見つけました。日本は世界に比べて女性国会議員の割合が小さいですね。
花子さん:日本の衆議院の議員総数は465人なので、あと[う]人女性の衆議院の人数が増えると世界の国会議員の女性比率を超えます。
先生:ニュージーランドでは女性の首相が活躍していますね。日本もこれから女性のリーダーが増えるといいですね。
⑶ [う]にあてはまる数を整数で答えなさい。
いま「日本の衆議院の議員総数は465人」で、このうち女性は「9.9%」。
「世界の国会議員の女性比率」である「25.5%」を超えるにはあと15.6%(=25.5-9.9)増えればよいから
465×0.156=72.54
よって女性の衆議院の人数があと73人増えればよい
ちなみに今年7月の参院選で過去最多の35人の女性議員が当選したこともあって、参議院もあわせた女性議員の比率は15.4%と少なくとも2ケタには到達しています。これでもまだ世界との開きは大きいとしても、客観的に見れば花子さんが感じているほど大きくはないという見方もできそうです(資料4にも小さく「※日本の国会議員は衆議院の比率を示したものです。」との注意書きがあります)。
次のサイトなどがよくまとまっていて参考になります。