10をつくる | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

数取りゲームと同じように、やったことのある人が多いと思われる数遊びの一つに10をつくるゲームがあります。車のナンバーや切符の通し番号にある4けたの数字と+-×÷で10をつくるというものです。

 

 

次の入試問題はこれを取り上げたもの。「10を作る」「メイク10」などのキーワードで検索するとオンライン解法ソフトがいくつか公開されており、同種の問題が手軽に作れてしまう時代なので、今後出題が増えてもおかしくないところです。

 

以下の会話文は、小学校6年生の恵さんと、妹で小学校3年生の泉さん、両親の4人が電車に乗っていたときのものです。(恵泉女学園2021)

お父さん:お父さんの子供の頃は、切符に書かれた4つの数字を使ってよく遊んだものだよ。
恵さん:どうやって遊ぶの?
お父さん:4つの数字の順番を変えずに、+、-、×、÷と( )だけを使って、計算して10にするんだ。
恵さん:じゃあ私の切符でやってみるね。5736だから、5+7で12、12÷3で4、4+6で10、できた!
お父さん:一つの式で書けるかい?
恵さん:簡単よ、5+7÷3+6でしょう。
お父さん:その式だと10になるかな?
恵さん:あれ、ならないかも。そうか、( )を使わないといけないんだ。正しくは[ ア ]だね。
お父さん:その通り。じゃあ、お父さんの切符の数字でもやってごらん。3622だよ。
恵さん:すぐに思いついたけど、これは何通りもあるんじゃないかな。
お父さん:そうだね。1通りできればいいよ。
恵さん:じゃあ、[ イ ]にしようかな。
お母さん:私のはどうかしら。7644よ。
恵さん:うーん、考えてみる…。
お父さん:色々と試してごらん。
恵さん:できた、[ ウ ]だね。
お父さん:よくできたね。泉の切符の数字はいくつ?
泉さん:私のは5524だよ。これもできるの?
お父さん:う〜ん、泉にはまだできないかもしれないけれど、恵ならできるかもしれないね。
恵さん:頑張ってみるね!

次の問いに答えなさい。ただし、答えはすべて解答欄の式に書き入れること。
⑴ 下の式に必要な記号を補って、[ ア ]に入る式を完成させなさい。
  式    5 + 7 ÷ 3 + 6 = 10

 

右矢印 [ア](5+7)÷3+6=10

 

小問⑵以下の答えは最後にまとめて載せています。小問⑷は少し難問です。

 

⑵ 下の式に必要な記号を補って、[ イ ]に入る式を1つ完成させなさい。
  式    3    6    2    2 = 10

⑶ 下の式に必要な記号を補って、[ ウ ]に入る式を完成させなさい。
  式    7    6    4    4 = 10

⑷ 下の式に必要な記号を補って、式を完成させなさい。
  式    5    5    2    4 = 10

 

 

 

  発展問題(麻布中2018)

 

以下の⑴、⑵について、▢に「+」、「×」、「=」の3種類の記号のいずれかを入れて、例のように正しい式を作る方法を、2通りずつ答えなさい。ただし「=」は1か所のみに入れるものとします。
例  (問)  2▢3▢5▢10▢20
     (答)  2+3+5+10=20、2×3×5-10=20

⑴ 1▢4▢5▢6▢7▢8
⑵ 2▢3▢5▢7▢11▢13▢17

 

右差し かなり難しそうに見えますが、四則記号は「+」と「×」しか使えないというのがポイント。これにより「=」をおく場所がかなりしぼられます。

 

 

 

 

 

解答

[イ]3×(6-2)-2=10

 (または 3+6+2÷2=10 または (3×6+2)÷2=10)

[ウ]7×(6-4)-4=10

[エ](5-5÷2)×4=10

 

発展⑴ 1×4+5+6=7+8、1+4×5=6+7+8

発展⑵ 2×3+5×7=11+13+17、2×3×5×7+11=13×17

 

 
オンラインソフトでいろいろためしてみましたが、よく練られた問題のようで、上記解答以外の組合せはなさそうです。
発展問題⑵で、たとえば「-」も使っていいとなると「=17」の形も可能になるのですが(2+3+5×7-11-13=17、2+3-5-7+11+13=17など)。

完了