ビンゴ② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

ご存じのとおり、実際に使われるビンゴは5×5で、真ん中は最初からあいているものが多いですが、これを使うとなかなかの難問もできてしまいます。

たとえば次の問題。

 

次のページの図1のように5×5四方のマス目の中央が塗りつぶされ、残りのマスに1から24までの番号が順番に書かれたカードがあります。また、1から24までの番号が1つずつ書かれたボールが入っている袋があります。この袋の中からボールを1つ取り出し、ボールに書かれた番号と同じ番号のマス目を塗りつぶすという作業を繰り返します。一度取り出したボールは袋には戻しません。カードのたて、よこ、ななめのいずれか1列の番号がすべて塗りつぶされたとき「終わり」とし、作業を終了します。例えば図2、図3のように取り出すと「終わり」となります。(駒場東邦2018)

 

 

⑴ 作業をちょうど4回繰り返して「終わり」となるとき、塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

 

右矢印 4回で「終わり」とする(ビンゴにする)には真ん中を使うしかないので、たて1通り、横1通り、ななめ2通りの合計で4通り

 

 

⑵ 作業をちょうど5回繰り返して「終わり」となるとき、塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。
 

 

右矢印 ❶真ん中を使う場合と❷使わない場合とに場合分けして考える。

 

❶真ん中を使わずに5回で「終わり」とする組み合わせはたて4通り、横4通りの合計8通り

❷真ん中を使って4回で「終わり」とする組み合わせが4通りあり(小問⑴)、あと1回は(5回目以外で)それ以外の20コのどれが出ても「ちょうど5回繰り返して「終わり」となる」。

このパターンで4×20=80通り

 

たとえばタテの列でビンゴになるとき(下の図)を考えると、赤枠の4つ+青部分からどれか1つという組合せで20通りある。

以上の❶❷の合計で88通り

 

 

⑶ 作業を19回繰り返したとき、1が書かれたマス目は塗りつぶさず、さらに「終わり」となりませんでした。このような場合は全部で何通りあるか求めなさい。またそれらの中の1つを具体的に答えなさい。ただし、塗りつぶされずに残った数字に丸をつけなさい。

 

右矢印 「作業を19回繰り返したとき」の残りの番号はあと5つ。これでまだ「終わり」となっていないのだから、ビンゴになるのをじゃまするようにカード上に5コの碁石をおくときのおき方を数えればよいことになる。

 

まず「1が書かれたマス目は塗りつぶさず」に残っていることからあと4つのおき方を考える。

この状況からビンゴができる可能性は上の次の9列(タテ4列、横4列、ななめ1列)。これをあと4コの碁石でぜんぶじゃましないといけない。

 

となると、1つの碁石で同時に2列ずつじゃましただけでは足りない(2×4=8列しかじゃまできない)から、2つめの碁石は必ずタテ・横・ななめの3列を同時にじゃまする番号、つまり9か16かに必ず碁石をおくことが必要。以下、場合分けをして考える。

 

  ❶ 16に碁石をおくとき

 

あと3つの碁石でこの6列をじゃまするには、「3つめの碁石を3、8、17、22のある横の列のどこにおくか」で場合分けして考えると次の4通り

 丸ブルー8におくとき→(8,13,24)(8,23,14)の2通り

 丸ブルー22におくとき→(22,9,14)(22,13,10)の2通り

 

 

  ❷ 9に碁石をおくとき

 

あと3つの碁石でこの6列をじゃまするには、「3つめの碁石を2、7、12、16、21のある横の列のどこにおくか」で場合分けして考えると次の3通り

 丸ブルー12におくとき→(12,17,24)(12,22,19)の2通り

 丸ブルー16におくとき→すでに❶で数えた(この下に載せた形)

 丸ブルー21におくとき→(21,17,14)の1通り

 

以上の❶❷の合計で7通り

そのうち1つを具体的に答えるとこちら