水そう問題④(3つの水そう) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

前回はグラフに特徴のある水そう問題を取り上げてきましたが、グラフは使わず水そうの方で特徴を出す問題もあります。
たとえば水そうが複数あるという問題で、次のようなものです。

 

  ①横に3つの水そう(報徳学園中2020)

 

図7のように、水そうAの中に水そうBと水そうCがまっすぐ立っています。水そうBに水を入れていくとき、次の問いに答えなさい。ただし、水そうの厚さは考えないものとします。

⑴ 水を300㎤入れたとき、水そうBは底から何㎝のところまで水が入りますか。

 

水そう図がきちんと書けさえすれば、あとはさほど苦労することなく全問正解できる問題となっています。

右矢印 水そうBの底面積25㎠なので、300㎤÷25㎠=12㎝

 

⑵ 水そうAの底から5㎝のところまで水が入るのは、水を何㎤入れたときですか。

右矢印 ①水そうB(底面積25㎠)→②水そうA(残り部分の底面積360㎠)の順に水が入るので
 25㎠×30+360㎠×5=2550㎠

 

⑶ 水を4410㎤入れたとき、水そうCは底から何㎝のところまで水が入りますか。

右矢印 水そうCに水が入りはじめるまでに必要な水の量は
 25㎠×30+360㎠×10=4350㎠

これと実際に入れた「4410㎤」との差60㎤が水そうCに流れ込むから、60÷15=4㎝

 

 

  ②タテに3つの水そう(普連土2022・4日)

 

右の図のように直方体の容器A、B、Cが縦に3つ並んでおり、容器A、Bには穴が空いています。容器の底面積はすべて10㎠です。容器Aは底面から10㎝の所に穴が空いており、容器Bは底面から5㎝の所に穴が空いています。どちらの穴も水面が到達した時から毎秒4㎤ずつ水が出ていくものとします。
容器Aに水を毎秒10㎤ずつ入れていくとき、次の問いに答えなさい。ただし、どの容器の高さも十分に高いものとします。

⑴ 容器Cの水位が5㎝になるのは水を入れ始めてから何秒後ですか。

 

右矢印 これもまずは水そう図を書くが、タテにある3つの水そうをうまく横向きに変換して書いてみるのがわかりやすい。

水は㋐→㋑→㋒の順に入り、それぞれの場所をみたすのにかかる時間は

  ㋐…10㎠×10㎝÷10=10秒

  ㋑…10㎠×5㎝÷4=12.5秒

  ㋒…10㎤×5㎝÷4=12.5秒

これらを合計すると35秒後

 

⑵ ⑴のときの容器Aの水位は何㎝ですか。

 

右矢印 容器Aのうち㋐の部分がいっぱいになるのが10秒後。残りの25秒で㋓の部分の水位が何㎝になるか考えると

  6×25秒÷10㎠=15㎝

㋐の水位10㎝をこれに足して合計25㎝

 

⑶ 容器Aの水位と容器Cの水位の比が8:3になるのは、水を入れ始めてから何秒後ですか。

 

右矢印 小問⑵で35秒後の水位はAが25㎝、Cが5㎝と出た。ここからさらに⑩秒たったときに「水位の比が8:3になる」ものとする。

水位のあがり方は、Aが毎秒0.6㎝(=6㎤÷10㎠)、Bが毎秒0.4㎝(=4㎤÷10㎠)。

とすると(35+⑩)秒後の水位はAが(25+⑥)㎝、Bが(5+④)㎝となる。これが8:3となるから

  (25+⑥):(5+④)=8:3

これを内項の積=外項の積を使って解くと 40+㉜=75+⑱  ⑭=35  ②=5 より ⑩=25

きかれているのは「水を入れ始めてから」なのでこれに35秒後を足して 60秒後 完了