すべてが相似になる④(直角二等辺三角形) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

円、正方形、正三角形がすべて相似だという話をしてきましたが、すべての正方形が相似であればこれを半分にした直角二等辺三角形もすべて相似になります。

これを利用して面積問題などが簡単に解ける場合があります。たとえばこちらの問題。

 

図のような辺ABの長さが10㎝、AC=BCの直角二等辺三角形ABCの内部を対角線の長さが1㎝の正方形PQRSが移動します。最初、正方形の辺SRは三角形の辺ACと、辺QRは辺BCと重なっています。その後、頂点Pが辺ABにそって移動し、辺SRが辺ACに重なったところで正方形は止まります。なお、辺PSと辺BCはつねに平行を保ちながら移動します。このとき、三角形ABCの内部で、正方形PQRSが通過しなかった部分の面積は何㎠ですか。(本郷中2022)

本郷中学校 2022年度 【過去問4年分】 (中学別 入試問題シリーズM08)

 

下の青い部分が求める面積となります。ここまでは簡単。でもここから苦労した受験生が多かったようで、正答率はわずか7.5%にとどまっています(483人中36人。学校発表

右矢印 上の図でそのまま計算するとかなり大変そう。理由は簡単で、すべて対角線の長さになっているから。もしこれが辺の長さだったら簡単なのに…ということで、すべての直角二等辺三角形(や正方形)は相似であることを利用して、面積比が1:2になるよう全体を拡大してみる。

これなら簡単に面積が出せる。①真ん中の直角二等辺三角形が7×7÷2=24.5㎠。②右上と左下の小さい二等辺三角形が2つ合わせて1×1÷2×2=1㎠。①②を合計して25.5㎠

 

これを元にもどして 25.5÷2=12.75㎠ 完了