以前の記事の続きです。
立体切断の問題では切断後の立体の体積を求めさせるものが多いですが、なかには表面積を求めさせるものもあります。この場合には、まずは切り口の形を正しくイメージ・作図したあと、さらに展開図を正しくイメージ・作図する作業が必要になります。
たとえば次の問題。
白色のねんどでできた縦1㎝、横1㎝、高さ2㎝の直方体と、赤色のねんどでできた1辺の長さが1㎝の立方体があります。図のように、直方体と立方体をぴったりとくっつけた立体を、3つの頂点A、B、Cを通る平面で切ります。(四天王寺中2020)
① 次の▢にあてはまる漢数字を答えなさい。
切り口の図形のうち、白い部分は▢角形で、赤い部分は▢角形になります。
次のように、白い部分(グレー)は三角形、赤い部分は四角形になる。
② 切り口の図形のうち、白い部分の面積と赤い部分の面積の比を答えなさい。
次のように、正面から見ると、白い部分は同じ二等辺三角形4コ、赤い部分は同じ二等辺三角形3コからできているので 4:3
③ 切り分けた2つの立体について考えます。点Pをふくむ立体のうち赤い部分の表面積を答えなさい。(白色のねんどと赤色のねんどがくっついている部分の面積はふくみません。)
受験者正答率がとくに低かった問題です(①30%、②40%、③15%。学校発表)
赤い部分だけ取り出して考える。
奥の面(「白色のねんどと赤色のねんどがくっついている部分」)は含まないことに注意すると上下左右の計4面あり、これを❶切り口(左)の等脚台形と、❷残りの3面に分けて考える。
❶切り口(等脚台形)の面積
上底、下底、高さのどれも(算数の範囲では)長さは出せず少し工夫する必要がある。
まず白い部分の切り口(グレーの二等辺三角形)に注目すると、例の「特別な三角すい」(過去記事)ができており、その一部になっているので、この展開図を書いて求める。
全体から直角三角形3コを引く形で出せるから、この白い部分の切り口の面積は1.5㎠(=2×2-2×1÷2×2-1×1÷2)
よって、赤い部分の切り口(等脚台形)の面積はこの¾(小問⑵で求めた4:3より)で 1.125㎠。
❷残り3面の面積
残りの3面は展開図を書いてまとめて求めることができる。
この面積は上から順に正方形の⅛、¾、½となっているので、正方形の面積が1㎠より、その合計は¹¹⁄₈㎠=1.375㎠。
以上を合計したものが「点Pをふくむ立体のうち赤い部分の表面積」なので
1.125+1.375=2.5㎠