入試問題の多くは、大問1が計算問題、大問2が一行問題というつくりになっています。この大問2で出される「一行問題」が今回のテーマです。
長い文章のものは出さないのがお約束なので、一行問題はやさしめの問題が中心になりますが、なかにはそこそこ手ごわい一行問題がしれっと混じっていることもあります。
そういう一行問題を今回取り上げます。
商とあまり(東京都市大付属2021)
50をある整数で割るとあまりが1以上3以下になります。この整数は全部で▢個あります。
「あまりが1以上3以下」を場合分けして考える。
50を割るとあまりが1になる=49の約数ということ。これは1、7、49の3コある。
同じように考えて(あまりが2になる)48の約数は1、2、3、4、6、8、12、16、24、48の10コあり、(あまりが3になる)47の約数は1、47の2コある。
ここから、条件をみたさない1と2(50の約数なので割り切れてしまう)を除くと、その合計は 2+8+1=11個
年齢算(品川女子2022算数)
AさんとAさんのお父さんの年齢の比は今からちょうど13年後に1:2になり、今からちょうど19年後に5:9になります。Aさんのお父さんの今の年齢は▢歳です。
2人の年齢差はずっと変わらないことから、
13年後→1:2=④:⑧
19年後→5:9=⑤:⑨
と比の項の差もそろえてみる(差が④になるようにそろえるのが簡単)。
するとAさんの年齢はこの6年で④→⑤へと①ふえているから ①=6歳。
よって13年後のお父さんの年齢⑧は48歳より「Aさんのお父さんの今の年齢」は35歳
数の性質(ラ・サール2021)
倍してもをたしても整数となる数で最小のものを求めなさい。
「⅕をたしても整数となる数」を小さい方から書き出すと ⁴⁄₅、⁹⁄₅、¹⁴⁄₅、¹⁹⁄₅… となり、分母が5、分子が5でわると4あまる数であるとわかる。
そして、この分子が7の倍数であれば「3⁴⁄₇倍」(ײ⁵⁄₇)した結果は必ず整数となる。
よって、そのような数で最小のものは¹⁴⁄₅
展開図(普連土2019算数)
図は未完成の立方体の展開図です。あと1つ正方形を描いて展開図を完成させるとき、正方形の書き方は何通りありますか。
ここに「あと1つ正方形を描いて展開図を完成させる」にはつぎの⑦⑧⑨⑪の4つのどれかの形になっている必要がある。
立方体の展開図はぜんぶでこの11種類があります(裏返したり回転させたりすると重なるものは同じ1種類と数えたとき)。ぜんぶを丸暗記しようとするのはあまりに効率がわるいので、たとえば側面4つがどう並んでいるかに注目しておさえておけば、あとは現場で再現できるはずです。
ということで側面の4つに色をつけてありますが
ー ①から⑥は4面ヨコつなぎにして側面を完成させた形(あとは上面と下面をどこにくっつけるかだけ考える)、
ー ⑦⑧⑨は3面をヨコつなぎにし、側面の一つを上にくっつけた形、
ー ⑩は2面をヨコつなぎにし、側面の残り2つを上と下にふりわけた形、
ー ⑪は少し特殊で、側面の1つと上面とを下におろした形
となっています。