カード問題(約数の個数) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

カード問題では「●のカードは何回裏返されるか」といった形で約数の個数がポイントになるものもよく出されます。そこから発展させて素数や平方数などの知識まで一つの大問のなかで幅広く問うことができるのが出題者側にとって魅力的なところです。

そのようなカード問題にはたとえば次のようなものがあります。

 

1から50までの整数が書かれたカードが1枚ずつあります。それぞれのカードは、次の例のように表と裏が区別でき、表面と裏面には同じ整数が書かれています。最初、すべてのカードが表になっており、このカードに次の【操作1】から【操作50】までを行いました。

例えば、3は、1の倍数、3の倍数なので、3の書かれたカードは2回裏返され、表になります。また、4は、1の倍数、2の倍数、4の倍数なので、4の書かれたカードは3回裏返され、裏になります。このとき、次の問いに答えなさい。(城西川越2021)

⑴ 2回だけ裏返されたカードは全部で何枚ありますか。

 

なかなか長い問題文ですが、あるカードはそこに書かれた数の約数のところで約数の数だけ裏返されるというのが基本ルールであること、したがって操作1ですべてのカードがまず裏返される(すべての整数は1を約数にもつので)ことを正しく理解することからのスタートとなります。

ここまでを正しく理解できていないと以下のすべての小問で不正解になってしまいます(カード問題のこわいところ)。

 

右矢印小問⑴で「2回だけ裏返された」ということは、1とその数自身しか約数をもたない数ということ。これは素数のことなので、「1から50までの整数」のなかで素数をさがすと2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47の15コ(過去記事)。よって15枚

 

⑵ 9の書かれたカードは何回裏返されましたか。

 

右矢印 9の約数は1と3と9なので3回

 

⑶ 裏になっているカードは全部で何枚ありますか。

 

右矢印 「4の書かれたカードは3回裏返され」るし(例題)、「9の書かれたカード」も3回裏返される(小問⑵)。このように3回とか5回とか奇数回だけ裏返されるとカードは裏になる。

つまり「【操作1】から【操作50】まで」行った時点で「裏になっているカード」ということなので、約数の数が奇数個あるものをさがせばよい。

そして約数が奇数個になる整数は平方数だけ。「1から50までの整数」のなかで平方数を探すと、1、4、9、16、25、36、49の7コ。よって7枚