商とあまり | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連して「商とあまり」というテーマです。

 

「〇で割ると●余り、▢で割ると■余る」という頻出問題があります。高校入試や大学入試でも取り上げられるテーマなので、今後も頻出の分野であることはまちがいないはずです。

 

中学入試では数の性質の一行問題として出されることが多いのですが、次のように分配算などと組み合わせて文章題の大問で出される(しっかり配点される)こともあり、それも含めて理解、対策しておく必要があります。

 

赤、青2つの袋があり、これらの袋の中にあめが入っています。中に入っているあめはどちらも200個より少なく、4個ずつに分けると3個余り、5個ずつに分けると4個余ります。(神戸女学院2022)
⑴ 赤の袋に入っているあめをはじめに9個ずつに分けると6個余りました。赤の袋の中のあめは全部で何個ですか。

 

神戸女学院中学部 2023年度受験用 赤本 1034 (中学校別入試対策シリーズ)

 

 

右矢印 まず「4個ずつに分けると3個余り、5個ずつに分けると4個余ります」の条件について考える。これは「4個ずつに分けると1個不足し、5個ずつに分けると1個不足する」と言いかえることができ(いわゆる「不足共通」のパターン)、これをみたす一番小さい数字は19(4と5の最小公倍数20から1引いた)。ここから20ずつ大きくした39、59、79、…、199も候補となる。

 

これをさらに9で割った余りを考えることで「9個ずつに分けると6個余りました」の条件もみたすものをさがす。すると9の余りは19→1、39→3、59→5、…と2ずつ大きくなっていくから、余りが6になるのは159のとき。よって 159個

 

⑵ 青の袋に入っているあめをはじめにAさんとBさんの2人ですべて分けました。その後でAさんはCさんにいくつか渡し、Bさんは、AさんがCさんに渡した個数のちょうど半分の個数をCさんに渡しました。すると3人の持つあめの個数が同じになりました。Aさんはあめをはじめに分けたとき、何個取りましたか。

 

右矢印 「Bさんは、AさんがCさんに渡した個数のちょうど半分の個数をCさんに」渡したとき、「AさんがCさんに渡した個数」を②とすると、BがCに渡した個数はその「ちょうど半分の個数」で①となる。
Cははじめは何ももっていなかった(「あめをはじめにAさんとBさんの2人ですべて分けました」)ので、Cが最後にもっていたのはすべてAとBから来た分。
これで「3人の持つあめの個数が同じに」なったのだから、A、B、Cとも同じ③になった。ということはCに渡す前は、Aは⑤、Bは④のあめをもっていた。
つまり最初に「青の袋に入っているあめ」の個数は⑤+④=⑨より9の倍数だったとわかる。
 
ここでもう一度さっきの表を見ると、9の倍数は99だけ。
よって⑨=99より、Aがはじめにもっていた個数⑤は55個