N進法をきわめる(その3) | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

N進法を利用してきちんと解けるようにしておきたい問題パターンとしてほかにも次のようなものがあります。

 

  二段階で変換する変則N進法(大妻中2021)

 

4種類の数字0、3、5、9を用いて表される整数を次のように小さい順に並べます。
  3、5、9、30、33、35、39、50、…
このとき、5039は何番目に出てきますか。

 

4種類の数字を使っているので4進法の問題として考える。ただし、ふつうの4進法なら1、2、3、10、…と続くところ、本問の4進法は3、5、9、30、…と続く点で変則的(変則4進法)。

そこで変則4進法→ふつうの4進法→十進法と二段階で変換する。本問に登場する3、5、9の数字はそれぞれ3→1、5→2、9→3にいったん読み替えることになる。

 

いわゆる「ホテルの部屋番号問題」(部屋のドアに4と9を使わずに1号室から番号をつけていく)と同じアプローチです。

よって「5039は何番目」かを求めるには、まず変則四進法5039をふつうの四進法に直して2013。これを十進法にすると、2が「64の位」、0が「16の位」、1が「4の位」、3が「1の位」にあるから 2×64+1×4+3×1=135 となり 135番目。

 

 

  カードを使ったN進法(青山学院横浜英和2021)

 

🅁🄴🄸🅆🄰という5種類のカードがあります。🅁5枚で🄴1枚と交換できます。同じように、🄴5枚で🄸1枚、🄸5枚で🅆1枚、🅆5枚で🄰1枚に交換できます。
🅁のカード2021枚もっているとき、カードの枚数をできるだけ少なくするように交換すると、カードは全部で▢枚になります。

 

🅁5枚で🄴1枚」「🄴5枚で🄸1枚、🄸5枚で🅆1枚、🅆5枚で🄰1枚」に交換できるということは、5集まるとケタが一つ上がるということ。つまり🅁を1の位、🄴を5の位、🄸を25の位、🅆を125の位、🄰を625の位とする5進法の関係になっている。

 

とすると、いまある「🅁のカード2021枚」を「できるだけ少なくする」には、できるだけ大きい位のカードに交換することが必要。これは十進法2021を5進法に直すことにほかならい。

そこで2021をすだれ算で5進法にすると次のように31041となる。

この31041は左から順に🄰🅆🄸🄴🅁のカード枚数にそれぞれ対応しているから、この合計がそのままカード枚数の合計になる。答. 9枚