以前の記事の続きです。
素数をテーマにした入試問題をいくつか取り上げてみます。
数の性質(金蘭千里中2018)
1とその数でしか割りきれない2以上の整数を素数という。例えば、3は素数であるが、4は2で割り切れるので、素数でない。110以上130以下の整数のうち、素数であるものは▢と▢である。
その場で書いて出すしかない。
意外と3の倍数が抜け落ちやすいので(2の倍数もまとめてカバーできる)6列で表にするのがオススメ。
2の倍数(赤線)と3の倍数(青線)をまず消すと候補は6コにしぼられる。
次に5の倍数で115と125が消え、7の倍数で119が消え、11の倍数で121が消えるから
答. 113と127
条件整理(豊島岡2021第2回)
素数を小さい方から順に並べたとき、和が90となる隣り合う2つの素数があります。この2つの素数の積はいくつですか。
「和が90」なので(平均である)45を真ん中にした6列表を書いてみると、2つの素数は43と47だとわかり、その積は 2021
実際は表にするまでもなく、この年の受験生は43×47=2021の素因数分解は暗記しており秒殺したはず。
規則性(品川女子2022算数)
Sさんのクラスの生徒には、男女に関係なく五十音順に、1番から順番に出席番号がついています。クラス全員に立ってもらい、次の順番で座っていきました。
①出席番号が2の倍数の生徒は座る。
②まだ立っている生徒のうち、出席番号が3の倍数の生徒は座る。
③まだ立っている生徒のうち、出席番号が素数の生徒は座る。
(*素数とは、1とその数自身のほかに約数がない整数のこと。ただし、1は素数に含みません。)
すると、クラスで立っている生徒は、2人だけになりました。
⑴立っている生徒の出席番号は、▢番と▢番です。
⑵クラスの人数として考えられる最大の人数は▢人です。
50ぐらいまで6列表を書いてみる。
①2の倍数と②3の倍数をまず消す。
ここで③素数を消すと、残るのは1(忘れやすい)および素数でない5の倍数、7の倍数、11の倍数…(表の太字部分)。よって
小問⑴ 「クラスで立っている生徒は、2人だけ」なので「立っている生徒の出席番号」は小さい方から2人で 1番と25番
小問⑵ 25の次に残ったのは35。これが入ると条件に合わないので「クラスの人数として考えられる最大の人数」は34人