以前の記事の続きです。
推理算のなかでも「うそつき問題」はバリエーションが無限にあるため、また解説もどうしても長くなってしまうため、マニュアル化しづらく試験対策が困難な、塾泣かせの単元の最たるものといえるかと思います。
頻出ではないのですが(ミスのないように問題を作ることが難しいという作問者側の事情かも)いつ出されても一応戦えるようにはしておきたいところ。
たとえば次のような問題が出ています。
A、B、C、D、E、Fの6人で徒競走をした。その後、6人は次のように言っていた。
A「私は2位だった。」
B「私は4位だった。」
C「私は6位だった。」
D「私は1位でも2位でも3位でもなかった。」
E「私の直前はDだった。」
F「私はBより後の順位だった。」
このうち、一人だけまちがった発言をした人がいる。その人は□である。また、3位は□である。(金蘭千里中2018前期B)
登場人物が前回の倍になり、難度はかなり上がっていますが、前回と同じく、王道の攻略法である次の2点を意識して解いていきます。
①登場回数が多いものに注目する
②そう仮定しても矛盾がないか調べる
その際、今回のように条件が多い場合にはどれか2つの条件をペアで考えると矛盾が見つけやすくなります。
しぼり込んでいく具体的なアプローチは何通りもありそうですが、その一つをご紹介します。
❶うそつきはBDEFの4人のなかにいる
全体をみると、B発言「私は4位」とF発言「私はBより後」がBについてのもの、D発言「私は1位でも2位でも3位でもなかった」とE発言「私の直前はD」がDについてのものとなっており、この2組のペアに注目する。
B「私は4位」とF「私はBより後」が正しいとすると、①Bが4位でFが5位、②Bが4位でFが6位のどちらかに決まる。
D「私は1位でも2位でも3位でもなかった」とE「私の直前はD」が正しいとすると、①Dが4位でEが5位、②Dが5位でEが6位のどちらかに決まる。
ここでBDEFの4人とも正しいとすると、この4人が4位、5位、6位の3つの順位に入るというおかしなことになってしまい、条件に合わない。
したがって、うそつきはBDEFの4人のなかにいる。
この時点で、A発言「私は2位」とC発言「私は6位」は正しいと決まり、Aは2位、Cは6位と決まる。
❷うそつきはBかFのどちらか
あらためてB「私は4位」とF「私はBより後」が正しいとすると(Cの6位は確定なので)Bが4位、Fが5位に決まる。このときDとEは残る1位か3位となるが、それだとD発言「私は1位でも2位でも3位でもなかった」はうそ、E発言「私の直前はD」もうそとなってしまい、条件に合わない。
したがって、うそつきはBかFのどちらか。
この時点でD発言「私は1位でも2位でも3位でもなかった」とE発言「私の直前はD」は正しいと決まり、Dは4位、Eは5位と決まる。
❸うそつきはBに決まる
この結果、B発言「私は4位」が条件に合わず、Bがうそつきだと決まる。
逆にF発言「私はBより後」は正しいと決まったので、Bが1位、Fが3位とすべて決まる