受験算数には、ニュートン算、N進法、フィボナッチ数列などカッコいい名前の技がいろいろ登場します。その一方で、名前がイマイチなものもいくつかあります。その最たるものはおそらく「つけたし(付け足し)」と一般に呼ばれるテクニックかと思います。
その名前から受けるおまけ的なひびきとは異なり、図形の面積問題では絶大な威力を発揮する超有用テクニックです。この「つけたし」の発想がないとお手上げの問題も少なくないので、お世話になっている小学生は多いはず。たとえば次のような問題。
その1(横浜雙葉2020)
右の図のAとBの面積が等しいとき、□にあてはまる数を答えなさい。
Cの部分をつけたして考える。
すると A+C=B+Cが成り立つから
□×6÷2=12×4÷2 □×3=24 □=8㎝
その2(大阪星光学院2021)
右の図において、三角形APQの面積をS㎠、三角形CRQの面積をT㎠とするとき、S-T=□㎠です。
四角形PBCQをつけたして考える。
すると S-T=(△ABCの面積)-(△PBRの面積) が成り立つから
(10×10÷2)-(13×7÷2)=50-45.5=4.5㎠
その3(海城中2020)
下の図のように、1辺の長さが2㎝の正方形ABCDと、点Dを中心とする半径が2㎝のおうぎ形があります。図のアとイの部分の面積が等しくなるとき、PCの長さは何㎝ですか。
ウの部分をつけたして考える。
すると
ア+ウ=2×2×(1ー0.57*)÷2=0.86
イ+ウ=PC×2÷2=PC
これらが等しいから PC=0.86㎝
*部分は例のラグビーボール型(過去記事)になっていることを利用