学校算数と受験算数の最大の違いの一つは最大公約数と最小公倍数の求め方だと思います。
たとえば最小公倍数を求めるとき、学校算数ではそれぞれの倍数をひたすら書いていくという指導がされているようですが、そんな悠長なことはやっていられない受験算数ではすだれ算を使って素因数分解をして求めます(詳細についてはきょうこ先生のYouTube動画などに譲ります)。
その最小公倍数の理解を問う入試問題が毎年どこかで出されています。たとえばこちら。
2つの整数があります。それらの和は36であり、最小公倍数は105です。この2つの整数を答えなさい。(南山中女子2022)
お約束である最小公倍数を素因数分解するところからはじめると 105=3×5×7
これが最小公倍数となるような2つの数字の組合せのうち、1つの素数を共有するパターン(典型出題パターン)をまずは考えてみる。すると
各パターンを具体的に計算すると
和が36になる組合せが見つかったので(それ以外の可能性*を検討するまでもなく)
答. 15と21
*ほかに105が最小公倍数となる2つの数字の組合せとして
①3つの素数を共有するペア…1通り(105と105)
②2つの素数を共有するペア…3通り(15と105、21と105、35と105)
③共通の素数がない(互いに素の)ペア…3通り(3と35、5と21、7と15)
があるが、「和は36」より①②の可能性はない。もし上記の最初の試みで条件を満たすものがなかった場合には③の可能性をこのあと検討していくことになります。
①3つの素数を共有するペア…1通り(105と105)
②2つの素数を共有するペア…3通り(15と105、21と105、35と105)
③共通の素数がない(互いに素の)ペア…3通り(3と35、5と21、7と15)
があるが、「和は36」より①②の可能性はない。もし上記の最初の試みで条件を満たすものがなかった場合には③の可能性をこのあと検討していくことになります。
なお、素因数分解をすることで壁を破っていく「wallprime(ワルプライム)」というなかなかの勉強系ゲームアプリがあり、105=3×5×7 は真っ先に暗記しないとハイスコアが出せない基本レベルの素因数分解となっています。