テトラナッチ数列! | 受験算数はきょうもおもしろい

階段やタイルなど規則性の問題でフィボナッチ数列(前の2つの数の和が次の数になる数列。1,2,3,5,8…など)が出されることがあります。トリボナッチ数列(前3つの和。1,2,4,7,13,24…など)もたまに出ます(これらの数の並びを暗記させる進学塾もあるとの都市伝説も)。

そして今年の入試問題では、これに続くテトラナッチ数列(前4つの和)が出されました。

 

図のような階段を、Aさんは1回に1段から4段まであがることができます。たとえば、1回目に1段、2回目に3段、階段をあがったときは、Aさんは1段目と4段目に止まったとします。ただし、最初にAさんがいる場所は0段目とします。

このとき、次の各問いに答えなさい。

⑴ 3段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

⑵ 5段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

⑶ 5段目で必ず止まってから8段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

(横浜女学院2022年D入試)

 

326横浜女学院中学校 2022年度用 3年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

 

⑴ 3段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

それぞれの段にあがるあがり方を順に書き出してみる。1回目で2段、2回目で1段あがることを(2ー1)のように書いていくと

  ❶1段目… 1通り←(1)
  ❷2段目… 2通り←(1-1)(2)
 3段目…4通り(1-1-1) (1-2) (2-1) (3)
  ❹4段目…8通り←(1-1-1-1) (1-1-2) (1-2-1) (2-1-1) (1-3) (3-1) (2-2) (4)

 

⑵ 5段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

5段目にあがる一つ前を考えたとき、ぜんぶで

  1段目から4段あがる…❶×1=1通り

  2段目から3段あがる…❷×1=2通り

  3段目から2段あがる…❸×1=4通り

  4段目から1段あがる…❹×1=8通り

の4パターンがある。これらは同時に起こらないので和の法則より 15通り

 

⑶ 5段目で必ず止まってから8段目まであがるとき、あがり方は何通りありますか。

まず5段目まであがって、そのあと3段あがるあがり方を考えればいい。

5段のあがり方は15通り(小問⑵)、3段のあがり方は4通り(小問⑴)。これらは同時に起こるので積の法則より 60通り 完了

 

中学入試にテトラナッチ数列は出ないと思われていたはずですが、こうなるとペンタナッチ数列(前5つの和)やヘキサナッチ数列(前6つの和)もいつか中学入試でも出されるようになる日がくるのかもしれません。