以前の記事の続きです。
今年も続々と条件整理の問題が出題されています。そのうちの一つで、重りを題材にした良問がこちらです。
A、B 2つの皿と、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g の7つの分銅があり、9gの分銅はAにのせてあります。残りの6個の分銅もA、Bどちらかの皿にのせます。ただし、Bにも少なくとも1個の分銅をのせるものとし、皿の重さは考えません。
<例>のようなのせ方をしたとき、Aだけに着目して と表すことにします。そのとき、数字は小さい順に書きます。次の各問に答えなさい。(式や考え方も書きなさい)
(1)A、Bの重さが等しくなるようなのせ方をすべて書きなさい。ただし、 のように、Aだけに着目した表し方をしなさい。
(2)BがAより重くなるのせ方は全部で何通りありますか。
(3)AがBより重くなるのせ方は全部で何通りありますか。
(武蔵中2022)
(1)A、Bの重さが等しくなるようなのせ方をすべて書きなさい。
分銅は合計42g(=3+4+5+6+7+8+9)なので、その半分の21gをAにのせることが必要。ここで「9gの分銅はAにのせてあります」の条件より、Aにあと12gの分銅をのせたい。
そこで合計12gとなる組合せを探すと、分銅2コでできる4⃣8⃣、5⃣7⃣の2組と、3コでできる3⃣4⃣5⃣の1組が見つかる。
(2)BがAより重くなるのせ方は全部で何通りありますか。
Aが21gでちょうどBと同じになる。ということはAが21gより軽ければ、つまり(分銅は1gきざみなので)Aが20g以下だと、BがAより重くなる。
Aにはすでに9gがのっているから、あと11g以下で分銅をのせればよい。分銅3コ以上の組合せでこれはないので、2コ以下の組合せを探していくと
11g…3⃣8⃣、4⃣7⃣、5⃣6⃣の3通り
9g…3⃣6⃣、4⃣5⃣の2通り
8g…3⃣5⃣、8⃣の2通り
7g…3⃣4⃣、7⃣の2通り
6g~3g…4通り(6⃣、5⃣、4⃣、3⃣が各1通り)
0g(=9gの重りのみ)…1通り
以上の合計で 16通り
これをもれなく数え上げるには、たとえば道順の問題で使う書き込み表を次のように活用してみることが考えられます。
(3)AがBより重くなるのせ方は全部で何通りありますか。
問⑵と同じように数え上げるのは大変で数え間違いも起きそう。なので問⑴と問⑵の結果を利用して、余事象の考え方で求める。つまり、分銅ののせ方が全部で何通りあるかをまず出して、そこからA=Bとなる場合(⑴で求めた)とA<Bとなる場合(⑵で求めた)を引いて出す。
全部ののせ方を求めると、3gの分銅をAかBのどちらにのせるかで2通り、4gの分銅をどちらにのせるかで2通り、以下同じように5g、6g、7g、8gについても各2通りある。それぞれ同時に起こるので 2×2×2×2×2×2=64通り。ただし、ここには全部をAにのせるパターン1通りが含まれているが、これは「Bにも少なくとも1個の分銅をのせる」という条件を満たさないので、この1通りを引いて全部で63通りある。
ここから⑴の3通りと⑵の16通りを引いた 44通り が答え