4年生は週2日。5年生は週3日。
6年生になると、週3日、うち2日が平常授業、土曜が午後から夜までの土曜特訓というスタートでした。
この土曜特訓(土特)が始まって、苦虫を噛み潰したような表情で帰宅することが増えました。

「ヤバい。激ムズ過ぎてヤバい。
算数がついていけない」

これまで比較的順調に来ていた算数で
思った以上に点が取れなくなってきたようでした。

本人はしっかり勉強しているんです。
でも成果がなかなか表れない。
これまでは、頑張ったら頑張っただけ結果に結び付いていたのに、空回りするようになった。
この時期は本当に本当に辛そうでした。
完全にスランプでした。
ストレスが相当かかっていたのか、
肘や首筋を無意識に掻き毟るようになり、
シーツも血まみれになっていることがありました。
皮膚科に連れて行ったら
アトピー性皮膚炎と診断されました。
ストレスで発症することも良くあるのだと言われました。

ストレスか……。
全然ストレスがかかっていないとは全く思っていなかったけれど
なんというか、ものすごくショックでした。
身体に症状が出てくる程、シンドかったなんて。
そんなに色々抱え込んでいたなんて。
長男のこと、分かっているつもりで何も分かっていなかった。
支えている、伴走していると思っていたのに
勝手にそう思い込んでいたのは私だけで
全然支えてあげられていなかったんだ……。

結局、長男は一人で戦っていました。

まだ11歳、たったの11歳なのに
親の期待、自分の人生、全て一人で背負って戦っていたんだ……。

自分の所属している校舎を離れてアウェイでSAPIXオープンを受ける機会も出てきて。
試験会場までは一緒に行くのですが
「ここから先は保護者は入れません」
とのことで
会場に一人で入っていく長男の後ろ姿を見ていると
なんだか泣けてきた。

と同時に

自分はなんということをしてしまったんだ、なんと残酷な世界に我が子を放り込んでしまったんだ、と
とてつもない罪悪感を感じました。

中学受験してみない?
私立の中学に行かない?

軽い気持ちで言ってしまった自分を
なんと愚かな母親なのだろう、と呪いました。

我が子にこんなに辛い思いをさせるのが分かっていたら、中学受験しようなんて言わなかった。
全ては後の祭り。

どうしたら良いんだろう。
私に何がしてあげられる?

毎日自問自答していたけれど
明確な答えが出ないまま。

いつ「受験を辞める」と言い出すんだろうか。
もしそう言ってきたら、どう答えるべきか。
「そんなに辛かったんだね。」
「充分頑張ったと思えるのなら、もう辞めてもいいよ」

そう答えるべきなのか。

……でも、本当にそれは長男が心から望んでいることなんだろうか。

本人に聞くべきなのだろうけど
聞いたらポッキリと折れてしまいそうで
コロナに感染して組分けテストが受けられなかっただけであんなに悔しがって泣いていた長男に
「やめてもいいよ」なんて
口が裂けても言うべきでは無いんじゃないか。

毎日毎日、堂々巡り。
答えが出ない。

……季節はいつしか夏になりました。

日能研からも出ています。