受験する可能性のある学校については

必ず見学に訪れておくこと、

熱望校以外にも、併願校は幅広く検討しておいた方が、後々になって慌てずに対応出来ることを書きました。

 

塾主催の学校説明会、学校主催の説明会などかなりの数の説明会に参加しましたので

その時の記録を掘り起こして、記事にしてみようかと思います。

 

 

2022年頃の情報ですので、既に古くなっている可能性もございます。

受験をお考えの方は、必ず学校の公式ホームページなどで最新の情報をチェックしてください。

 

また、私の個人的な主観も偏見も入っているかと思います。

現在そこの学校にお通いのお子様もいらっしゃいますし学校関係者の皆様へもご迷惑をおかけするようなことは、あってはならないことだと思います。

ですので、あまりネガティブな情報については記載したくないと思っています。

 

実際に足を運ぶことで、それまで知らなかった良い一面を沢山知ることが出来ました。

そういったポジティブなことを中心に書いていきたいと思います。

ご了承いただければと思います。

 

 



さて、今回は栄光学園中学校。

神奈川御三家のひとつで、聖光学院に次いで超難関と言われる学校です。

 

栄光といえば、聖光、浅野と同じく

伝統校かつ名門校。

中受に興味の無い人でもご存知だったりする位に有名です。

「栄光」って名前からして既にカッコイイ。

 

中高一貫の男子校、高校募集は有りません。

カトリック(イエズス会)の学校で、上智学院のひとつ。

かつては横須賀に学校があったのだそうです。

一学年180名なので、聖光の225名や浅野の270名と比べると、こぢんまりと言えます。

でもこぢんまりの中の40〜50名が東京大学に進むわけですから、これはもうとてつもなく凄い実績と言えると思います。

 

栄光には何度も訪問しましたが

場所はJR大船駅から徒歩15分。

駅からでたら、大船観音様を右側に見ながら坂道を上がっていきます。

途中から結構な急坂になります。

その名も「栄光坂」。

私の年齢では息切れしてゼーハー言ってしまうのですが、在校生はこの坂を毎日上がります。

駅からバスもありますが、歩くことになっているというのは体力をつける為ということでしょう。

坂道をほぼ登りきった?となる頃に、

栄光学園のキャンパスが見えてきます。

入口から既に、名門校の雰囲気…

門を入って右側にはチャペル。

校舎を建て替えてまだ間もないとのことで、あちこちピカピカです。

校舎の設計も卒業生がされたそうです。

隈研吾さんという、有名な建築家です。

 

校舎はなんと、2階建て。広い敷地を贅沢に使っています。木をふんだんに使った暖かい雰囲気の建物。

広いグラウンドに面していて、どこからでもグラウンドに出やすい構造。

そしてビックリするほど開放的で、陽の光がサンサンと入ってくる明るい教室です。


 

私が参加したのはSAPIX主催の学校説明会でした。

SAPIXの広報からは栄光学園について以下のような説明がありました。

 

・言わずと知れた進学校。

・SAPIXの秋以降のSAPIXオープン4回分の平均偏差値は60以上。

・成績の良い子でも落ちる。一方で苦戦している子でも受かることも。(これについては後程記載します)

 

また、SAPIXが取ったアンケートによれば、栄光に進学したお子さんからは

・栄光に入って良かった

・名物先生も多数いるので授業がとにかく面白い

といったことが聞かれているそうです。

 

SAPIXの先生方から見た栄光学園は

・ありのままの子供の成長をあたたかく見守ってくれる学校。

・かなりの難関校なので、まずは学力をつけてください

とのお話でした。

 

校長先生からのお話で

「Men for others, with others」

(他者とともに、他者のために尽くす人であれ)

という教育理念についてお話がありました。

このあたりが公立には無い、カトリックの学校ならではの理念なのかなと思います。

卒業生もこの言葉をとても大切にしているそうで、人間形成に重要な中高の6年間を

こういった理念の下で過ごせるというのは素晴らしいことだと感じます。

 

次に、栄光学園広報の先生からご説明。

「環境が行動を誘発する」子供たちはそれぞれが自ら成長しようとする力を持つので、手を出し過ぎないように。成長を妨げないように。環境を整えてあげること。というのをとても大切にされているとのことでした。

また、栄光学園ではコミュニケーション能力(伝える力)と段取りを組む力を伸ばしたいとのこと。人の目を見て話す、

相手の気持ちを察するということ。そして相互コミュニケーションが生まれる授業をしているそうです。

 

実際の授業風景の動画を見せてくださいましたが、いちいち挙手しなくても先生と生徒とで相互にやりとりしながら授業を進めていく感じで、SAPIXの授業の雰囲気に似ているかも、と感じました。

 

またその動画では、普段の栄光生の様子も見せていただきましたが、生徒さんは自由にノビノビとしながら過ごしている様子で、休み時間にはみんな外に出て遊ぶそうです。なんなら小雨が降っていてもお構いなし。

木登りしている子もよくいるそうで、大抵の学校では木登りしていたら「危ないからやめなさい!」と注意を受けるのでしょうけれど、動画の画面が小刻みに揺れていて、撮っている先生もクスクス笑ってる?

なんとおおらかなんだろう、と微笑ましい。

実際に木から落っこちることもあるそうなのですが、「失敗から学ぶ経験も必要だ」との認識だそうで、

確かに、危ないことは「危ない!」と注意されるよりも、実際に木から落ちてみて、じゃあ次落ちない為にはどうしたら?

と考える。自ら学ぶということを大切にしているんだな~と感じました。

また、動画では生徒さん達が試験前の放課後に勉強している様子も映っていて、あちこちで小グループが出来ていて一緒に勉強していたり、あちこちで寝そべって勉強していたり。

超進学校だからといって机にかじりついて勉強するだけじゃなくて、自分なりのスタイルをみんな持っている。

そしてそれを先生方が暖かく見守っている。

自由にノビノビ、放任主義、という学校は特に進学校に多いようなのですが、みんなそこに入ってくるだけの潜在能力があるから、ギチギチに締め付ける必要が無いんでしょうね。でも完全に放置ということではなくて、自由にさせながらもしっかり見守っていて、まさに掌の上で転がしているような、そんな感じでした。

 

さて、次に入学試験について。

SAPIX広報からも説明がありましたが、成績の良い子でも落ちる。一方で苦戦している子が受かることもある。

つまり、合否結果が成績で綺麗に分かれない、との話。

栄光の入試問題には特徴があって、SAPIXで言うところの完全なる「Bタイプ」(記述中心のタイプ)

単なる知識の詰め込みでは全くもって歯が立ちません。

持っている知識をフル活用して、初見の問題をどう解いていくか。

解答用紙にも特徴があって、毎年、式や考え方を書かせる問題が出ます。

また、SAPIXの先生は「気合系」というような表現をされていましたが、気合を入れてそれなりに時間も手間もかけてコツコツと解いていってようやく答えが出るような問題、というものも出たり。

答えだけを書かせるような問題は皆無。

一言で言うと「一筋縄ではいかない」

でも、最終的な答えがもし間違っていても、考え方や途中経過が間違っていなければ部分点をくれたりするので

とにかく諦めずに取り組むように、とのお話でした。

 

我が家の長男、5年生の頃の施設見学会と文化祭で栄光に訪れて、すっかりその魅力に憑りつかれてしまったそうで。

栄光いいな~、栄光いいな~、とずっと言っておりました。

そのくらい、魅力溢れる素晴らしい学校だと思います。

 

 

夏期講習のお供に。教室の冷房効き過ぎにも、一枚あると安心。