長男が私立小学校をお受験するのは白紙になったけれど、「私学」という選択肢が完全に消えたわけでもなく。
というのも、私の兄が中学受験して中高一貫校の出身だったので、私自身も当たり前のように中学受験組、私立中高一貫校の出身。

私の頃は地元の公立中学が荒れに荒れていた頃で、校内暴力だの、暴走族が来るだのは日常茶飯事、
新聞沙汰になることもしばしば。

そんな時代だったから尚更、中高の6年間を私立で過ごして、その環境の良さについては、分かっているつもり。


さらにそれより遡った話をすると
昔は小学校で普通に知能検査があった。
その知能検査で驚異の数値を叩き出したのが、私の兄。
あまりに高い数値が出て、両親が校長先生から呼び出された程。

そこで校長先生から言われたのが
「どうかこの子の能力を潰さないでやってほしい」と。
地方のど田舎ですから、みんなが公立小中→高校受験するのがスタンダード。
でも、それでは駄目だ、と校長先生から両親は言われたそうです。

どうにかしなくてはと思った母が見つけたのが、地元の国立大学付属小学校。

兄は3年生から4年生になる時にそこの編入試験を受けて合格しました。

ついでに?就学を控えていた私も
連日、母による受験対策をしてもらって
その付属小学校を受験し合格。


春からは2人揃って通うことになる、はずでした。



…が
転勤族の父、今度は神奈川に転勤が決まり。
泣く泣くその土地を後にしました。



神奈川県に引っ越ししてきて、
兄と私は公立小学校へ。
でも、最初に書いたように、地元の公立中学があまりにも荒れているという理由や
兄のIQが著しく高いということもあって
中学で公立に行く選択肢は無かった。


転校してきて、新4年生になると同時に
兄は日能研に入りました。


当時は日本能率って名前だったと思う。
指定の鞄も、今はリュックだけど
当時は肩掛けの硬い鞄(Nカバン)だった。
それを斜め掛けにして
兄は毎日のように塾通いでした。



兄の姿を見ていて
当然、自分も受験して中学から私立に、と思っていたのですが
時代錯誤?それとも男尊女卑?
九州出身の両親は
私が頼んでも塾には通わせず


「日能研なんてもってのほか。
女の子なんだから、そこそこのレベルの学校で充分」と。


子供心に、腹が立って仕方がなかった。
兄妹や男女での区別、ではなくて差別。
どうにも納得出来なかったのをよく覚えています。



やっと両親が折れて日能研に入れてもらえたのは、6年生の夏期講習でした。
6年生の夏休みといえば、中受界隈では「天王山」と言われる程、大切な時期。


他のみんなは2月の本番に向けて既に基礎が固まり、殆どの単元を終わらせ、ここから入試に向けてラストスパートしようかという時期のはず。


そんな中に突然入り込んだ私は、チンプンカンプン。


入塾前に自力で算数の文章題などを進めていたのだけれど、なんの役にも立たなかった。

当然、一番下のクラスからスタートして、座席も一番後ろから数えた方が早い位置。
これはもう間に合わないということで
受験校を国算2科目校に絞ることにして
理社は捨てました。


国語は元々本が大好きで
有名な文学作品は多方読んでいたし
ついて行けないということは無かったけれど、算数は毎度、国語の得点の半分しか取れず、最初のうちは本当にシンドイ思いをしました。

もっと早くから、みんなと同じスタートが切れれば、もっと違ったのかもしれないと。

でも受験することを決めたのは自分の意思でもあるし
納得するしか無かったんですよね。



算数については
中学受験で出てくる独特の文章題については本当に苦労したけれど
単元が進んでいくと
元々やっていた公文の先取りがかなり功を奏することになりました。

昔のCMでも言ってましたが
まさに

「やってて良かった公文式」

計算についてはある程度の自信もあったから、あとは、例の文章題や図形問題の解法をひとつひとつクリアしていけば
自ずと点数に結びついてくるはず。


家庭学習の殆どを算数に費やし
徐々に席順もクラスも偏差値も上がって行きました。



当時は午後受験というのも無かったので
結局2校しか受験しなかったけれど
合格発表の時は嬉しかったなぁ。


まあ、大したレベルの学校でもないんでしょうけれど、みんなが当たり前に大学受験するという環境で6年間過ごせたのは
やっぱり良かったなぁと今でも思います。


繰り返しになるけれど
私立は環境、教育内容、建学の精神、
どれを取っても素晴らしい学校が多い。
そんな中で過ごせたから
当たり前のように我が子にも私立を、と考えたわけで。


逆に主人は
小学校から大学院までずっと国公立。
なので私立とは全く縁の無い人生。
もし私が公立出身だったとしたら
長男に私立中学受験を、という話にもならなかったのかもしれないし
そういう意味では
親の育ってきた環境というのは
子供の進路にも大きく影響するのでしょうね。


公立と私立、どちらが良いとか悪いとかではなく、ただどちらを選ぶのか、選択肢のひとつというだけであって
たまたま長男の進路として選んだのが私立。


下に2人いる弟達については
本人達が何をどうしたいか
きっとその時になってからまた考えるんだろうと思います。