引越しの日 | 得意楽器はボキャブラリー

引越しの日

今日は新しい事務所へ引っ越す日だった。

風邪は悪化していたが
アガリクスを飲んでなんとか動けるぐらいには持ち直した。

従弟夫婦が手伝いに来てくれた。

さらに昼過ぎには、飲み友達のSさんと彼女のMさんが手伝いに来てくれた。


僕は引越し慣れしているので
なんとかなるだろうと思っていたけれど案外大変だった。
自分で思っていた以上に荷物が多かったからだ。

2年で随分荷物が増えた。
2年分の荷物を自分たちで運んでいると
2年という時間の重さを体で感じているような気持ちになる。


別にそう感傷的になるわけではないが
最後に空っぽになった部屋に鍵をかけたときは
2年前に荷物をひとつずつ運び入れたときの思いが蘇ったような気がした。
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そんな個人的なセレモニーに
肉体労働とともに付き合ってくれた友人たちに
ささやかながら一杯振舞うことにする。

本当は蕎麦屋あたりでささっと乾杯だけしようと思った。
なぜなら、僕は車だから飲めないのである。

しかし生憎、近所に思い当たる店はなく
ちょうど通りかかってしまった「根室食堂」にしかたなく入ることにする。

ここは前から少し気になっていて
機会があれば行ってみようと思っていたのだが
自分が飲めないときに行くことになろうとは思わなかった。

僕は飲み屋の選択において酒のプライオリティが高いので
飲みたい酒がない店に好んではいかないけれど
ウマいものを食わせてくれそうな店には誘惑される。

今日のところは自分が飲めないのであまりやる気なく
地魚や貝の刺身盛り合わせなど適当に頼んでみる。

店のおにいちゃんが
「今日はいい中落ちが入ってますよ」というので素直に従う。

そしたらこれだ。
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ここの中落ちはスプーンでかっぽじって食うものらしい。
僕がみんなのためにスプーンで身を削いであげた。

確かに魚はみなウマい。

それだけに恨めしいのは酒が飲めないことである。


ウマいものがあれば酒が進むのもしかたがない。

それも、みんな肉体労働のあとだから
「ぷはー」とか言いながらビールをウマそうに飲むのだ。



おれってちっちゃいなあ、と思うけれど
段々腹が立ってきてしまうのだ。

多分一人だけ怖い顔して
みんなが飲むのを睨んでいたと思う。



それもしかたがないと思う。



ドンマイ。